女性向け漫画雑誌『BE・LOVE』にて連載中の王道ファンタジー『星降る王国のニナ』。ついにアニメ放送もスタートし、多くのファンタジーファンから注目を集めています。今回は、『星降る王国のニナ』69話のネタバレ感想と考察について。
『星降る王国のニナ』最新69話ネタバレ感想と考察
星の民エノク、まさかの形で再登場

最新69話、面白かったですね! まずは、かの星の民エノクが「仲介役」として現れた瞬間の謎の感動たるや。
「この子を媒介にして話しかけているんです」。うんうん、こういう荒唐無稽な柔軟さが楽しすぎるからファンタジーはやめられないよね。
本作において、エノク自身が、というより「星の民」そのものがいまだ謎多き存在として描かれている印象が強いです。
ただ、タイトルが『星降る王国の~』とあるとおり、やはり「星の民」が重要な鍵を握っていることは間違いないのでしょう。
今回のエノクの登場のしかたにも、どことなく「上位世界の外側からの介入者」のような立ち位置が感じられて、物語の層が一気に深くなったように感じました。
お猿ちゃんを介して「お久しぶりですね 星の姫」とめっちゃフランクに呼びかけられるニナw。
なんとなくですが、ここにきて「星」というキーワードが本編でもさらに存在感を増しつつあるように思います。同時に、ニナ自身の力の性質が大きく物語に関わってくる前兆のようにも見えました。
アズールの「本当の名前」とは…
アズールが再び自分の体の支配権を取り戻せすためにはどうすればよいのか……。エノクとの対話を頼りに真剣に悩むニナ。
星の力によってアズの自我を引き上げるには、「強い縁のあるもの」が必要。
そしてそこでニナが思い当たるのが、アズールという名前がもともと亡くなった第一王子の名だったという衝撃の事実。
うん、そういやそうでしたね!! 気軽にアズアズ呼んでたからそのあたりすっぽり抜けてましたよ!
ただ、アズール本人は「覚えてない」と言っていた。
そしてニナの問い。「本人が覚えてなくてもその名じゃないとだめ?」
これがまた核心をつく一言なんですよね。名前とは何か、アイデンティティとは何か。
その問いに対し、エノクが淡々と「彼にとってはダメなのでは?」と返すのも良い。
さらっと描かれていますが、この「真の名前を取り戻す」という流れは、ファンタジーにおいて非常に重要な概念となることが多いです。
有名どころでいえば、
- 『千と千尋の神隠し』の千尋… 「千」と改名することで自由を奪われていた
- 『ゲド戦記』の「真の名」
- 『エルダースクロールズ』の“真の名”の魔術
などなど、「真名を知る=存在の根源を握る」という設定は数多く存在します。
今回のアズールもまさにそこに踏み込もうとしているわけで、アズの自我の核、魂の重心に踏み込んでいく展開にアズ推しのいち読者としてはワクテカでした。
しかしダイタスも知らないのねー! これはもう、アズ自身の物語の核心に踏み込むしかない。
本人が覚えていないのは、本当に“忘れた”のか、それとも“忘れさせられた”のか。一気に伏線が広がっていく感じが最高です。
「アズの名前を取り戻す」と決意するニナがニナすぎて尊い
「アズの本当の名前を見つける」と決意したニナがニナすぎて尊い。
ただ身体的に救いたい、ただ元に戻りたい……というレベルではなくて。もっと深いところで、もっと本質的な部分で、アズという存在そのものを理解し支えようとするあたりが「星の姫」たる器を表している気がします。
獣の神に心を飲まれそうになっているアズール。に対し、「アズ自身が何者であるかを取り戻したい」と願っているニナ。
ニナがアズの「本当の名前」を知ろうとするのは、
アズという存在そのものを完全に肯定したいからなんですよね。
アズが「本当の名前」を取り戻したとき、それは単なる情報の取得ではなく、おそらく“自我の再構築”に近い変化が起きるはず。
今回、まさに「転換点」のひとつとなるエピソードだったと思います。アズとニナの関係も、物語の流れも、世界観の深度も、ここから一段階深く潜り始める感じ。続く展開にも注目です!
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