津田雅美の代表作『彼氏彼女の事情』通称「カレカノ」。繊細な心理描写が特長の本作ですが、ストーリー展開や各登場人物のキャラクター性から”鬱作品”としても知られています。今回は、『彼氏彼女の事情』最終巻にて描かれた、ヒロイン・雪野の妊娠とデキ婚という結末について。
『彼氏彼女の事情』のラスト・最終巻のネタバレ感想と考察
ヒロイン・雪野の妊娠・デキ婚について
『彼氏彼女の事情』のラスト・最終巻にて描かれた「ヒロイン・雪野の妊娠&デキ婚」。
この結末について、リアルタイムで読んでいた読者の反応はわりと多種多様なものだったように思います。極端に否定的な意見はそれほど多くはなかったものの、それでも「いやいやお前ら優等生じゃなかったんかーーい!」という突っ込みはそれなりにあったはず。
いわゆる「優等生カップル」としてキラキラしていた二人が好きだった読者層は、きっとこんなふうに感じたんじゃないでしょうか。
「有馬くんとくっつく(結婚)のは全然想定内だけど、妊娠&デキ婚の必要性あった……?」
「優等生」をみごと脱した雪野と有馬
しかし個人的には、本作は「ヒロイン・雪野の妊娠」をもって幕を閉じることで、初めて完成形になったともいえるのではないかと思っています。
『彼氏彼女の事情』は、キラキラした学園生活や恋愛、青春について、各キャラクターの繊細なる心理描写とあわせて描かれた青春ストーリーです。……少なくとも表向きは。
1巻~最終21巻まで通して読了済みの読者にはよーくわかると思うのですが、津田雅美先生が本作を通して本当に描きたいことって、絶対にそこではないですよね。
非常に概念的な話になってしまいますが、メインカップルである雪野&有馬はそれぞれが抱える事情こそ違えど、形としては同じように「優等生」という名の檻に押し込められて生きていた人間でした。
二人の大きな違いは、雪野はその檻から自力で出ていける人間だったけれど、有馬のほうは彼女の助けなしでは外に出ていけなかったということ。
もちろん、雪野&有馬がこのまま「優等生」として進学し就職する展開のほうがはるかにリアリティはあったことでしょう。現実ならば。が、エンタメ作品の展開としては、そういうぬるい展開ではダメだったんじゃないかな。
『彼氏彼女の事情』は、読者の誰しもにわかる形で「雪野&有馬の優等生伝説は終わったよ」と明示しなければ成立しない物語だったはず。二人が整然としたレールから正しく「外れた」ことがわからなければ、終わることはきっとできなかったはず。
ヒロイン・雪野の妊娠、そして有馬とのデキ婚は、それを可能にするいち要素にすぎないのではないかと思うのです。そういう目でみれば、むしろこれ以上の終わり方はなかったのではないでしょうか。
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