1997年10月に放送されたTBSドラマ『青い鳥』は、幸せを求めさまよう男女を描いたラブストーリー。ただ、不義の愛という設定や展開に『気持ち悪い』など賛否両論の意見もみられます。
今回は『青い鳥』第11話(最終回)にて、仮出所中の理森が誘拐犯としてふたたび拘留され、数年後に詩織と再会し夫婦となる展開のネタバレです。
【ネタバレ】ドラマ『青い鳥』第11話(最終回)のあらすじ
この記事では本編あらすじ全ての詳細な文章化はしておりません。
ネタバレ要素はありますのでご注意ください。
理森×詩織、かほりの行きたがっていた幻の島へ
6年ぶりに2人きりの時間を過ごした理森と詩織。
詩織は、母を喪ったあの日からずっと抱えつづけてきた孤独を理森に打ち明けた。
「すきなの…あなたのことがすきなの。でもやっぱり、ママのことが忘れられない? わたしは、ママになれない?」
「……」
「わたしはやっぱり、誰にも愛されてない」
「愛しているから。俺がきみを愛してるから」
理森(豊川悦司)の言葉に、詩織(山田麻衣子)は動きを止めた。理森は彼女を強く抱きしめた。
鹿児島には、引き潮時にしか現れない美しい離れ島がある。かほりが行ってみたいといった、潮の満ち引きで消える幻の島……。
理森と詩織は、地元の人に引き潮の時刻を聞いた。
「ああ、次は明日の3時だよ」
二人が去ってすぐ、同じように引き潮の時刻をたずねた女性がいた。
「明日の3時だよ。…そういえばさっきも同じことを聞かれたなあ」
「それって……背の高い男性と、女の子でしたか?」
その女性は、理森を追ってきた美紀子だった。
理森への復讐をあきらめきれないひろむ
理森と詩織に追いつき、二人の意思を確かめた美紀子は、ひろむに電話をかけた。
「ひろむさんにとって、一番大切なことは何ですか」
「なに?」
「市長の椅子に座りつづけることですか。かほりさんですか、詩織ちゃんですか。それとも…理森への復讐ですか」
「……」
「わたしにはわかった気がします。理森が何を一番大切にしているのか」
警察への告発を取り下げるつもりはないというひろむの本心は、美紀子にはよくわかっていた。
理森・詩織とひろむの和解
それでも、美紀子はもう、理森を力づくで連れ戻すつもりはなかった。
「理森が決めたことでしょう。理森の生き方は、理森にしか決められない」
「ああ…」
「わたしも逃げてたのかもしれないなあ…自分で自分の生き方を決めるのがこわくて、理森のせいにしてた。でも、もう逃げないよ。自分の生き方は、自分で決める」
理森はふたたび刑務所に勾留された。彼を見送った詩織は、あらためてひろむに別れを告げた。
「育ててくれて、ありがとう。ごめんね、良い娘じゃなくて」
「お父さんこそごめんな。良い父親じゃなかった」
「ううん……じゃあ、行ってきます」
詩織は、行先も言わずに去っていった。彼女の背を見送ったひろむは、理森のもとをたずねた。
「なあ…なぜまた刑務所に戻った?」
「僕が詩織ちゃんを引っ張っていきました…僕が良いようにしていただけませんか」
「…そこが、僕ときみの違いってやつなんだろうなあ…。きみはずっと、そういう生き方しかできないんだろう」
理森とひろむがこんなに穏やかに話し合ったのは初めてのことだった。二人はここにいないかほりと詩織を想いながら笑いあった。
数年後。ようやく清澄に戻ってきた理森の手元には、詩織からの絵はがきがあった。
「おかえりなさい…」
「ただいま」
二人は固く抱き合って再会を喜んだ。
【ネタバレ】ドラマ『青い鳥』オリジナル特別編(サイパン)
理森(豊川悦司)と詩織(山田麻衣子)が結ばれる展開は賛否両論
ドラマ『青い鳥』には、テレビで放送されなかったオリジナル特別編(サイパンロケ分)があります。
景色の美しいサイパン島にて、一組の幸せそうな親子の姿が。それは理森(豊川悦司)と詩織(山田麻衣子)、そして娘(鈴木杏)の3人でした。
愛した女性の娘と結ばれて子どもが生まれて…という衝撃展開に、一部の視聴者からは「え、ちょっとひいた…」「気持ち悪い」などの意見もあったそう。
もちろん見方や感じ方は人それぞれですが、ただ個人的に声を大にしていいたいのは「この作品を本気で楽しみたいならそもそも倫理面とか考えないほうが良いと思うなあ…」というところでしょうか。笑
不倫逃避行劇の時点でいろいろあれですし、悪役っぽく描かれてきたひろむだって、本来は被害者なわけですし。
それでも視聴者サイドが理森側を応援してしまうのは、まあなんというか制作サイドが徹底してそういう描き方を貫いているからなのかなあと思うんですね。
話の展開がやたらと急なのになんとなく突っ込めずについていけるのは、すべての出来事がすごく概念的・抽象的に演出されているためではないでしょうか。
簡単にいえば、離れ離れだった男女が「めじるし」を目指して右往左往する、というのがこの作品の大枠です。そこがわかっていればどういう展開でだろうと十分面白いし、いろんな方面から楽しめるんじゃないかなあ。なんにしてもトヨエツさんはかっこよかったし、台詞一つひとつに謎の説得力がありましたよね。なんかもうそれだけで成立する一作なんじゃないでしょうか。
▼ドラマ『青い鳥』ネタバレ一覧
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