坂田信弘原作・中原裕作画による陸上漫画『奈緒子』。長距離走、特に駅伝をテーマにした本作は、主人公・雄介と、幼馴染の奈緒子を中心に展開するヒューマンドラマ。この二人の運命に大きな影響を与えているのが、雄介の兄・大介です。
今回は、本作のラストにて、雄介の兄・大介が急に危篤状態となるストーリー展開について。
※ネタバレを含みます。
【ネタバレ】陸上漫画『奈緒子』ラスト、大介の病気(危篤)の理由とは
大介は何の病気だった?
雄介の兄・大介が病気になり危篤に……という急展開は、「奈緒子新たなる疾風 6」のラストにて描かれます。
大介の容態が発覚したのは、雄介が東京国際マラソンに出場している何ともドラマチックなタイミング。 ただし、病気の詳細については作中では明かされていません。
試合中に明らかになる肉親の急病。選手としての責務と家族への思いのはざまにて、主人公・雄介ははたして何を選ぶのか…!? いやめちゃくちゃドラマチックじゃないですか。
とはいえ、「あのタイミングで大介が危篤になる理由がよくわからない…」「あの急展開でいったい何を伝えたかったのか…?」と疑問を持つ読者さんも決して少なくなかったようです。
父の死、兄の危篤…が一つのターニングポイントになっている
本作は全体的に、ものすごくエンタメ性に特化した作りになっている作品だと思うのです。
そもそもタイトルは『奈緒子』なのに、ストーリーの大半は雄介の行動を軸に展開している。
奈緒子は”ヒロイン”というより、作中の物語の動きを端的に伝えるナレーション的な立ち位置を担っている印象があります。
奈緒子の行動原理の根本には常に「雄介」がいる。そしてその雄介自身は、常に兄の大介と母親のことを考えた上で人生の選択をしている。
陸上選手でなく漁師の道を選ぼうと考えたのは亡き父の影響というより、家族のことを考えた結果だったと思いますしね。
奈緒子と雄介を強烈に結びつけたのは「雄介の父の死」。その傷がようやく癒えて大人への道を……というタイミングでおとずれた「大介の危篤」。
大介の病気の詳細が作中にて明かされなかったのは、この作品において、もはやその点は全く重要ではないからでしょう。
読者サイドからすれば多少唐突な展開に思えても、本作の完結にはどうしても重要人物の生死が絡む展開が必要だったのではないかという気がしています。大きな傷をともに乗り越えた雄介と奈緒子が「これから」を生きていくために。
主人公・雄介の「走りたい」というシンプルな欲求に特化した作品
では、本作におけるメイン展開すべてが雄介の父の死に起因しているのかといえば、もちろんそうではありません。
ここが一番面白いところかもしれません。雄介の内面には、誰より大事な家族を想う心とは別に、びっくりするくらいシンプルな、でも強烈な「走りたい」という欲求があるんですよね。
雄介の抱えるこの欲求を誰より正しく理解しているのは、実は奈緒子なんじゃないかな。肉親である大介と違い、彼女は少し遠くから、より客観的な目で雄介の在り方を見つめている。
幼い時分から長年にわたって一人の人間にそれだけ注目していれば、そりゃ好きにもなっちゃうよなあ~というのが個人的な感想です笑。本当に、陸上×恋愛をかぎりなく純度高めに混ぜ合わせた唯一無二の作品だったなあと思いますね。
▼雄介と奈緒子の関係性について
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