陸上漫画『奈緒子』完結後、雄介と奈緒子は結婚するのか?

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奈緒子 エンタメ

坂田信弘原作・中原裕作画による漫画『奈緒子』。小学館発行の「ビッグコミックスピリッツ」にて1994年から2003年まで連載された本作は、2008年に上野樹里さんや三浦春馬さんの共演で映画化もされている。
作中では陸上の楽しさや苦しさがリアリティをともなって描かれているため、特に陸上ファンの心に強く響く作品の一つであると言えるだろう。
今回は、陸上漫画『奈緒子』のメインキャラクターである雄介と奈緒子のその後について。

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陸上漫画『奈緒子』のあらすじは?

雄介たちの小学校の運動会当日、健介は頼まれて奈緒子たち親子を磯釣に連れていく。健介は雄介に日本一のマラソンランナーになれと言い残し、出発するのだった。海の上で、天候が気になる健介だったが…(第1話)。健介が現れないまま、運動会の種目は進んでいった。一方、健介は磯に渡ろうとした奈緒子が海へ落ちたのを助けようとして飛び込む。なんとか奈緒子を助けたものの、健介は波に押された船に磯に打ちつけられて海に沈んでしまう(第2話)。

●本巻の特徴/日本海の疾風と呼ばれた陸上界の伝説の男、壱岐健介の死。その息子雄介、大介、原因となった奈緒子の出会いが描かれる。また、雄介が長崎県の学童陸上大会に出場することになり、壮行会で1位になると宣言する。

小学館eコミックストアより

『奈緒子』の映画版の内容は?

2008年公開の映画『奈緒子』では、雄介役を三浦春馬さん、奈緒子役を上野樹里さんが演じている。

映画版では漫画版と比べ、”陸上特有の楽しさと苦しさ”みたいなものにより焦点が当てられている印象があった。つまりあくまで「スポーツもの」として描かれているため、漫画版のストーリーの軸にある”雄介と奈緒子の関係性”みたいなものはそれほど重視されていない

そしてこれは映像ならではの特性なのかもしれないが…、当然ながら映画版では漫画版と違い、登場人物のモノローグや場面場面における心情があまり繊細に描かれることはない。

個人的には漫画原作内で頻繁に登場する「奈緒子のモノローグ」や「奈緒子が雄介に向ける愛情、思慕の念」がすごく好みなので、あの雰囲気をじっくり味わいたい人はやはり、映像版ではなく原作を読んだほうが良いだろうと思う。

主人公・雄介に徐々に惹かれていく奈緒子

本作を初めて読んだときは、なぜタイトルが『奈緒子』なのか、正直ピンとこなかった。ストーリー自体の展開をみても、また物語の視点を考えても明らかに雄介がメインの作品なのに、なぜ要所要所でしか登場しない奈緒子の名前がタイトルになっているのだろう、と。

でも10巻、20巻と読み進めていくと、だんだんとその意味がわかってくる。おそらくだけれど雄介は、奈緒子の人生に一番大きく影響している人物なのだろう。それはきっと、雄介の父親に命を救われたから、というわけじゃない。それは単なるきっかけに過ぎない。

仮にあの日、海に落ちて雄介の父親に助けられて、というショッキングな出来事がなかったとしても、奈緒子は雄介の太陽みたいな笑顔に惹かれていたんじゃないだろうか。雄介と出会っていなければ、彼女は陸上の世界に足を踏み入れていなかっただろうし、あれほどの情熱で「走りたい」と願うこともなかったんじゃないかと思う。

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それにしても雄介の兄・大介が、自分の父親が幼い奈緒子を救ったことを認識していなかったことには驚いた。母親や雄介から何も聞いていなかったのか…?
まあ当時口にするのもつらい話題だったのだろうし、わざわざ知らせるまでもない、知らないなら知らないままで良い情報だと思ったのかなあ、と。

陸上漫画『奈緒子』はラストどうなる?

漫画『奈緒子』は、シリーズ『奈緒子』と、続編シリーズ『奈緒子/ 新たなる疾風』の2つに分かれている。

シリーズ『奈緒子』は、都道府県対抗駅伝にて、雄介が43位→1位のごぼう抜きを成し遂げたあたりで終わっている。雄介がそこまでの無理をした理由はやはり、先輩であり親友でもある宮崎先輩のためであり、ひいては自分のためでもあったのだろう。
まぁ宮崎先輩の腰が完治していない以上、初めから双方に相応の覚悟はあったはずだけれど…。

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一方、シリーズ『奈緒子/ 新たなる疾風』では、『奈緒子』のその後の雄介たちの動向がそのまま描かれている。「東京マラソン」に挑戦する雄介たち。

複数人でリレー形式で走る駅伝に比べ、マラソンは初めから終わりまで一人きりで走り抜かなくてはならない。そこで本田を指導者にたて、奮闘する雄介たちだったが…。

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『奈緒子』の雄介と奈緒子は結婚するのか

『奈緒子』のヒロイン・奈緒子は、物語全体を通してずっと雄介に恋をしていた。そのこと自体は随所に登場する奈緒子のモノローグでしっかり描かれているので、読者サイドもしっかり認識していたはず。

では雄介のほうではどうだったのか…?少なくとも作中では、雄介が奈緒子に対して何か特別な感情を抱いていることを示すような描写は見られなかった。

『奈緒子』ファンのうちには、奈緒子と雄介2人の関係性の変化を楽しみにこの漫画を読んでいたという人ももしかしたらいるのかもしれない。

が、そもそも奈緒子と雄介は「(雄介の)父の死」そして「陸上」という大きなものを介してつながりあっている二人だと思うので、そこに恋愛要素が入りすぎるのは何か違うんじゃないかと個人的には思えてならない。

本作は、あくまで「陸上漫画」「スポーツ漫画」として読んだほうが面白い気がしている。そこにプラスアルファでちょっとした恋愛要素があるからこそ、より魅力が感じられる部分も大きいんじゃないだろうか。

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