【薬屋のひとりごと】原作小説5巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | 西都に連行される猫猫

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『薬屋のひとりごと』は、ライトノベル作家・日向夏さんによる人気ファンタジー小説。原作小説(ヒーロー文庫)の第5巻では、皇弟の身分に戻った壬氏とともに西都に向かう猫猫、そして新たなる厄介ごとの数々が描かれています。今回は、『薬屋のひとりごと』の原作小説5巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察について。

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『薬屋のひとりごと』原作小説5巻あらすじ

宮廷をさわがせていた子の一族の反乱がおさまり、壬氏は宦官ではなく本来の身分である皇弟として政をおこなうことに。しかし、ふたたび新たなる不穏な空気が。

ヒロイン猫猫も、毒菓子事件や紙の村の所有権問題など、新たな面倒ごとにことごとに首を突っ込む羽目になる。さらには壬氏とともに、玉葉后の故郷である西都へと向かうことになるのだが……。

参考:『薬屋のひとりごと』第5巻リリース

【薬屋5巻】猫猫の苦労体質っぷりがたまらない

せっかく後宮から出たものの、いろんな人から目を付けられているため完全に自由な立場にはなれない猫猫に笑いました。

舞台が後宮や宮廷のみにとどまらずやたらとスケール感が大きいのもこの作品の特徴の一つですが、どんな状況におかれようが厄介ごとからは逃れられない猫猫、という図があるからこそ作風に一貫性が感じられて、それがある種の安心感につながっているような気がします。

そして今回、舞台は中央を飛び出して遠い西の地・西都へ。自分の嫁選びの場に、猫猫を官女としてではなく〝羅の姫”としてしっかり連行する壬氏さまがどこまでもらしくて好きです。宦官時代と1ミリもやり口が変わってないんだよな。ただ、そのままでは猫猫には絶対に伝わらないとも思うけども。

今回、盗賊やらライオンやらに襲われたあげく、さらには壬氏にまで襲われかけた猫猫ですが、そういった出来事一つ一つに対するリアクションが人一倍薄い(あるいは無感情のまま冷静に処理)あたりがやはりこのキャラクターの面白さなんだろうなあと思います。

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ふつうの女の子らしく躊躇する、こわがるといった正常な感覚がないぶん、見ているほうも安心できるというのかな。もちろん壬氏のほうは毎回ハラハラでしょうが、でも本気で心配している男とそれに無自覚な女の関係性ってラブコメとしては満点な気がします。飲み比べあたりのストーリー展開がとにかく最高でした。

そして極めつけは阿多さま。彼女については物語の(というより壬氏に関する)鍵をしっかり握りながらもそのことをおくびにも出さず、表面上は傍観を続けるキャラクターなんだろうと思っていたからこそ、今回のモノローグは意外でしたね。

とはいえ壬氏の出生については、実は1巻時点から随所にて小出しにされているエピソードではあります。ただ、あの謎解き好きの猫猫さえ意識的に、あるいは無意識にそこに立ち入らないようにしているのが見えるからこそ、この段階であらためて描かれ始めるのに驚きました。てっきりシリーズ終盤までとっとくのかと思ってたよー。

出生の謎について壬氏本人が知ることがあるなら、猫猫との関わり方も本格的に変わってくる、というより変えざるを得ないんじゃないかという気がしますね。そうなるとやはり事実が明らかになるのは終盤になるのかなあ…。続く展開にも注目です。

『薬屋のひとりごと』(ヒーロー文庫) 各巻ネタバレ感想と考察

4巻 5巻 6巻  7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻 13巻 14巻 15巻

【薬屋のひとりごと】小説最新15巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | 壬氏と猫猫の熟年夫婦感

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