【薬屋のひとりごと】小説最新15巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | 壬氏と猫猫の熟年夫婦感

-

※記事内にPRを含む場合があります

エンタメ

『薬屋のひとりごと』は、ライトノベル作家・日向夏さんによるファンタジー小説。架空の世界観ながら細かな舞台設定や描写、そしてヒロイン猫猫のキャラクター性や腹黒宦官・壬氏との関係性が見どころです。アニメ版や漫画版もあわせて注目されており、メディアミックス作品としても話題となりました。

今回は、『薬屋のひとりごと』の最新15巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察について。

-

『薬屋のひとりごと』の最新15巻(ヒーロー文庫)の発売はいつ?

『薬屋のひとりごと』の原作小説15巻は、ヒーロー文庫より3月29日(金)に発売がスタートしました。

『薬屋のひとりごと』の最新15巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察

現帝の体調、投薬実験と外科手術、そして壬氏と猫猫の立場

この記事は、内容の詳細には触れない軽いネタバレ要素を含みます。未読の方はご注意ください。

『薬屋のひとりごと』最新15巻のストーリーは、中央に戻ってきた猫猫たちに突然ふりかかる災難、そしてそれにまつわる投薬実験や外科手術など大がかりな医療行為を軸として進んでいきます。

前14巻やなろうでの展開から、西都での厄介ごとがひと段落し中央へ戻ったヒロイン・猫猫と壬氏の関係性は確実に前に進んでいくのかと思いきや、やはりそれほどスムーズには進展しないところが本書らしくもあり、ただ往年のファンとしては少々残念でもあり。

しかしながら今回15巻において、猫猫に対して壬氏が長年にわたり抱えてきた感情が明確な言葉として表現された点は非常に良かったと思います。

それに加え、現時点における壬氏と猫猫の微妙な関係性が、現帝と阿多がおそらく現在にいたるまで抱え続けた後悔や罪の念と比較するように、ある種対照的に描かれていたのが印象的でした。

出生や生い立ちがあらゆる事情から公にされず、そのため苦しんできた登場人物も多い本作において、現帝と阿多、そして壬氏と猫猫の揃ったこのシーンは、おそらくはなろう版を含む本作全体を通してかなり大きな意味合いをもっているのではないでしょうか。

帝と阿多のつながり

帝と阿多の関係性、そして阿多が後宮を去ってなお続いているつながりは、おそらくは壬氏と猫猫のそれ以上に複雑といえるでしょう。建て前と本音がかけ離れていたとしても、立場上言えないことばかり。

複雑な事情を抱えるキャラクターの多い本作においても、おそらくはトップレベルで厄介ごとを抱えこんでいる2人じゃないかと思うんですね。

-

最新15巻において良かったのは、かつての帝と現在の壬氏のキャラクター性や考え方が全く違うものであること、相いれないものであることが読者サイドにもはっきり伝わるように明示されていたことです。

元来、自由に生きる気質である猫猫の在り方をねじ曲げるくらいならば、解き放ったほうがずっと良いという壬氏の強い意志。

対する阿多の涙は、彼女と現帝の今後の関係性の変化をどこか暗示させるものだったように思います。これから時間をかけて、これまでのような言いたいことを言わない、言えない仲ではなく、より打ち解け合った良い関係性に少しずつ変化していくのかもしれません。

壬氏と猫猫の熟年夫婦感

上述した壬氏の言葉を肝心の猫猫がどう受け止めたのかについては、残念ながら作中ではぼかされています。メインキャラクターの真意を徹底して明示しないこの流れ、そして演出、さすが日向夏先生だなと思わず苦笑いした読者も多いんじゃないでしょうか。もちろん良い意味で笑。

しかしラスト、壬氏に”帝にならないでほしい”、と告げた言葉が、現在の猫猫の内情すべてをあらわしているような気もします。一見すると不敬と捉えられても仕方ない発言ですが、少なくとも壬氏にはきちんと伝わっているんだろうなと。

言葉がなくとも理解し合える2人

壬氏と猫猫の2人については、実際のところ周囲があまり心配する必要もないのかなといち読者として感じています。二人とも立場上、あるいはもともとの性格ゆえか、本音を言葉にする機会が極端に少ないぶん、言葉がなくとも相手の真意をおしはかる能力が人一倍高いんですよね。

帝位につくという名誉は、壬氏にとっては単に自分を殺して生きることに他ならないと正しく理解している猫猫は、やはり誰よりも彼の理解者たり得る女性といえるはず。

『薬屋のひとりごと』は、舞台設定の描線や彩色が美しいぶん、登場人物の心情描写がやたら淡白に感じられるところがあります。ヒロイン・猫猫の心情がはっきり描写されることがあるなら、それはおそらく最後の最後、ほんのワンシーンだけなのかもしれません。

次回はヒーロー文庫16巻、そしてなろう版の更新を待つばかり。本編はそろそろ最終章に足を踏み入れた感がありますが、今後もなろう版、漫画版とあわせて注目していきたいですね。

タイトルとURLをコピーしました