【薬屋のひとりごと】原作小説9巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | ”痛いの痛いのとんでいけ”

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『薬屋のひとりごと』は、ライトノベル作家・日向夏さんによる人気ファンタジー小説。原作小説(ヒーロー文庫)の第9巻では、前巻の衝撃のラストにて口外できない怪我を負った壬氏と猫猫の微妙な関係性、そして二度目の西都生活のはじまりが描かれています。

今回は、『薬屋のひとりごと』の原作小説9巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察について。

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『薬屋のひとりごと』9巻あらすじ

壬氏の一世一代の行動の結果、とんでもない秘密を共有することとなってしまった猫猫。口外できない怪我を負った壬氏のために、不本意ながら秘密裏に壬氏のもとに通わなくてはならなくなる。

できる範囲で治療を施していくが、医官付き官女という曖昧な立場においてできることは限られている。医官にはなれない猫猫は医術を学ぶことはできない。そこで、羅門に医術の教えを乞おうと決めるのだが――。

『薬屋のひとりごと』の原作小説9巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察

主上と壬氏の関係性をほぼ確信した猫猫

前8巻ラストの衝撃がいまだ展開のそこここに残っている9巻でしたが、そこに隠れて結構重要なのがヒロイン・猫猫の壬氏に対する認識が完全に固まってしまった点なのではないでしょうか。

とはいえ主上と壬氏の関係性については、本作ではストーリー冒頭の1巻をはじめ、要所要所で読者サイドにもしっかり提示されています。

いわば本作の世界観の根幹を形づくるいち要素といえそうですが、しかし面白いのが、格段の推理力をもつはずの猫猫がそこについていっさい深堀りしようとしない点ですよね。

貴い方の事情には必要以上に首をつっこまないというのが、物語の始まったときから一貫して変わることのなかった猫猫のスタンスであり、ある種の信念でもあったのでしょう。

が、前8巻における壬氏の暴走により、ついにそこから目を逸らすことができなくなってしまったわけで。

猫猫は、薬だの毒だのがからむ場面においては欲望のおもむくまま、やりたい放題やっているように描かれがちですが、基本的には「他人との衝突を避けようとする」「臭い物に蓋をする」的傾向が強いキャラクターだと思うのです。

そのベースにあるのは、おそらくは人を癒す薬屋として、誰かを傷つけることをしたくないからという元来の性質なんじゃないかな。自分は卑しい生まれだから~だの、壬氏は天上人だからだのと必死に言い訳を続けてきたものの、9話ではうってかわって「まあとりあえず自分にできることはやっていこう」というスタンスに変わっています。

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「秘密を知った以上もう逃げられないから」というのは単なるタテマエで、本音は「マジメ人間なはずの壬氏がこれ以上暴走するのはもう見てらんないし、結局止められるのはわたしだけだし」といったところでしょうか。

そういった意味では、壬氏は猫猫の”ヤバそうな人を意地でも見捨てられない”気質をうまく利用したのだともいえそうですね笑。

やっときたラブシーン!猫猫からのキスに壬氏は…

『薬屋のひとりごと』という作品の面白さはなんといっても、ラブロマンス要素がベースにありながら、肝心のラブ要素は1冊あたり1シーンのみに限られている点でしょう。

今回9巻では、終盤にきてようやく猫猫→壬氏の愛情表現が描写されています。しかも本気ビンタの後のほっぺチューという、アメと鞭もいいとこな定番の演出込みで笑。

前8巻の壬氏の暴走は、完全に彼自身の圧倒的権力を利用して、無力な庶民(実際はそうでもないが)な猫猫を力づくで囲い込もうとするものでした。だからこそ、え、壬氏マジで猫猫を大事にできる? する気ある? と純粋な疑問かつ懸念をを抱いた読者陣もじつはかなり多かったんじゃないでしょうか。

今回9巻においては、壬氏のそうした印象が良い意味で撤回された部分も大きかったのかなあと思います。

『痛いの痛いの飛んでいけ』以降の展開は丸ごとすべて、1巻から一貫して描かれてきた壬氏の不器用さや誠実さをあらためて読者サイドに提示する意味合いもあったのでしょう。

なんだかんだ言いつつも最終的には猫猫の意思を尊重してくれる不器用で優しい男。…というだけではやはり肝心の2人の仲はまったく進まないわけで。もどかしいながらも、でもやっぱりこうじゃなくちゃと感じさせてくれる一冊でした。

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