名作映画『バグダッドカフェ』オリジナル版と完全版の違いは?どちらがおすすめ?

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バグダッドカフェ エンタメ

映画『バグダッドカフェ』は、アメリカ西部にある寂れたモーテル「バグダッドカフェ」に集う人々の交流を描いたヒューマンストーリー。
劇中には独特の空気感があり、つい何度もみてしまうというコアなファンも多いという。が、『バグダッドカフェ』には実はいくつかのバージョンが存在することをご存じだろうか。

今回は映画『バグダッドカフェ』のオリジナル版と完全版の違いや、それぞれの魅力について。

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映画『バグダッドカフェ』のあらすじは?

アメリカ西部の砂漠に佇む寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」に集う人々の交流を描いたヒューマンドラマ。ドイツから夫と共にアメリカ旅行に来たジャスミンは、夫婦ゲンカの末に1人で車を降り、モハーベ砂漠にあるモーテル兼カフェ「バグダッド・カフェ」にたどり着く。バグダッド・カフェには不機嫌な女主人ブレンダら一癖も二癖もある人々が集い、いつも気だるいムードが漂っていた。しかしジャスミンの出現により、彼らの心は次第に癒やされていく。

『バグダッドカフェ』あらすじ 映画.comより

夫と別れて一人歩き出すヒロイン・ジャスミン

ヒロインは”太ったドイツ人の女性”ジャスミン。ストーリーは彼女が旦那とのケンカの末、砂漠の真ん中で車を降り、ひとり悠々と歩き出す場面からスタートする。
この「夫の車を降りる」というシーン、二度三度とくりかえしみるたびに、実際は人生におけるいろいろな岐路の比喩的表現なんだろうなあとつくづく思う。

たとえば独り立ちして実家を出る場面、一緒に暮らしていた人と別れて再び一人で歩き出す場面、結婚を解消して一人で生き直そうとする場面…。

砂ぼこりがもうもうと舞う。暑い日差しが照りつけている。その中をあくまで”悠々と”歩き続けるジャスミンの姿が、個人的には劇中で一番好きかもしれない。実際、出だしのあのシーンの中に、ジャスミンの芯の強さや彼女のこの先の人生の明るさみたいなものが集約されているような気がする。

映画『バグダッドカフェ』には4種類のバージョンがある

映画『バグダッドカフェ』には計4種類ものバージョンが存在する。

・1987年制作のオリジナル版
・1994年、17分の未公開シーンを追加した完全版
・完全版デジタルリマスター版(完全版の色調などを再調節したバージョン)
・2008年、オリジナル版の再編集版「ニュー・デイレクターズ・カット版」

内容も映像の様子も何度も”アップデート”されている。では、『バグダッドカフェ』のオリジナル版と完全版の違いは…?

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オリジナル版と完全版の違いは?

『バグダッドカフェ』のオリジナル版と完全版について、2作とも全体的なストーリー展開自体はほぼ変わらない。

一点だけ違うのは、物語のラスト。オリジナル版では主人公であるジャスミンがプロポーズされるところで終わっているが、完全版ではジャスミンがプロポーズされるだけでなく、モーテルの女主人・ブレンダも家を追い出した夫と再会し抱擁する、というシーンが加わっている。

主人公はジャスミンだと書いたが、正直『バグダッドカフェ』は、ブレンダという一人の人間の成長を描いた物語でもあるように思う。

劇中で印象的な場面の一つとして、モーテルにやってきたばかりのジャスミンが、汚れて散らかっているモーテル内を一日がかりで、たった一人で掃除してピカピカにしていく…というシーンがある。それも、ブレンダが一日の大半を過ごす受付の部分を集中的に。

あの汚れたモーテルは、当時のブレンダのすさんだ心をそのままあらわしていた気がする。部屋は住む人の心を映し出すというけれど、あれはまさにその通り。心がすさんでいたら普段暮らしている空間もすさんでくるし、もちろんその逆も然りなんだな、と。

よく「バグダッドカフェには謎の癒し効果がある」という人がいるけれど、それはおそらく、汚れたモーテルが綺麗になり、それにともないブレンダの心も徐々に明るくなっていく様子が劇中で顕著に描かれているためなんじゃないだろうか。

そうなると、本作の真の主人公はジャスミンではなく、やはりブレンダのほうなのかもしれない。ブレンダの幸せもあわせて描かれている完全版では、その点がより強調されている気がして個人的にはすごく好きだ。

が、正直、ジャスミンの強さに感化されたブレンダが夫不在のモーテルを一人で立派に切り盛りしていく…という展開でも別に良かったかなあと思わないでもないのだけれど…笑。まあ、そのへんは人それぞれの好みというやつなのでしょう。

ラストの台詞「ブレンダに相談してみるわ」の意味は?

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