映画『シックスセンス』は怖い?伏線8個の意味をネタバレ解説・考察

-

※記事内にPRを含む場合があります

エンタメ

映画『シックスセンス』は、M・ナイト・シャマラン監督の代表作として広く知られる衝撃のサスペンススリラー。ドイツの名優ブルース・ウィリスや元天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメントが出演した世界的名作です。今回は、劇中に隠されたさまざまな伏線の意味についてネタバレ解説をお届け!

-

映画『シックスセンス』のあらすじ【ネタバレなし】

小児精神科医マルコムは、これまで多くの子どもの心を救ってきたスペシャリスト。しかし、功績が認められ表彰を受けた喜びを妻とわかちあっていたある夜、10年前に担当した患者ヴィンセントが彼の自宅を襲撃。

病気は治らず、一人きりにされ寂しい思いをしたとマルコムをなじるヴィンセントの言葉に、マルコムは大きな衝撃を受ける。

それから1年後。ビンセントの一件があって以来、マルコムは妻との折り合いが悪くなり、心身ともにさえない日々を過ごしていた。そんな中、8歳の少年コールのカウンセリングをつとめることとなるのだが、彼は誰にも言えない秘密を抱えており…。

死者の姿が見え、声が聞こえるという特殊能力をもつ少年コール(子役ハーレイ・ジョエル・オスメント)と、彼を担当する精神科医マルコム(ブルース・ウィリス)の交流を軸として展開していく、前代未聞のサスペンス・スリラーです。

映画『シックスセンス』の主要キャストと子役は?

ブルース・ウィリス(マルコム役)

第一線で活躍する小児精神科医。

ハーレイ・ジョエル・オスメント(超能力をもつ少年コール役)

死者が見えてしまう”第六感”をもつ少年。

トニ・コレット(リン・シアー役)

コールの母親。息子のことを心配しているが、彼の抱える秘密には気づいていない。

オリビア・ウィリアムズ(アンナ役)

マルコムの妻。マルコムを心から愛しているが、とある事件をきっかけに冷めた態度をとるようになり…。

-

【ネタバレあり】映画『シックスセンス』の伏線10選!ラストの意味は?

本作の主人公であるマルコムを演じたブルース・ウィリスは、映画冒頭のテロップにて「この物語には秘密がある」と語っています。

劇中にはさまざまな伏線が登場しますが、最終的にはそのすべてが「物語の秘密」に集結しているといっていいでしょう。

その秘密の正体はラストシーンにて明らかになるわけですが、勘のするどい人やこういった作品を見慣れている人であれば、劇中の伏線から結末をなんとなく察することができるんじゃないかなと思うんですね。

それでは以下、劇中の伏線10個を解説していきます。(ここからネタバレあり)

伏線① ラブラブだった妻アンナにいきなり無視され始めるマルコム

まず気になるのは、物語冒頭にてあれだけラブラブだった妻アンナの突然の塩対応。視聴者サイドがはじめに違和感をもつのは間違いなくここでしょう。

本作の面白さの一つは、登場人物全員の演技・表情すべてにおいて、ごく自然な雰囲気のはざまに絶妙な違和感がまぎれこんでいる点です。

アンナが最愛の夫マルコムにひと言も声をかけず目も合わせないのは明らかに不自然といえます。

が、その不自然さを当のマルコム自身があっさり受け入れてしまっている以上、視聴者も「ま、まあそんなもんなのかな…?」となんとなく受け入れざるを得ないわけですよね。キャラクターの動きや台詞一つひとつが非常に効果的に取捨選択されている感じがあります。

伏線② コール少年以外の人間とまったく会話をしないマルコム

よく集中してみていれば、妻アンナだけでなく他の登場人物も全員、マルコムとまったく言葉を交わしておらず、目すら合わせていないのがわかります。

これまた不自然以外のなにものでもない状況なのですが、しかし場面場面においてデフォルメなりテンポなりできちんとした緩急が付けられているためか、やはりなんとなくの説得力がある気がしますね。

妻アンナとの会話が実はまったくかみあっていなくとも「まあ不仲だしなあ、しょうがないか」で納得させられてしまうわけで。ここは本当に俳優陣の演技の自然さあっての演出だなあと思います。

-

伏線③ 劇中でいっさい物を動かさないマルコム

主人公マルコムは、実は劇中にていっさい物を動かしていません。

にもかかわらず視聴者サイドがほとんど不自然さを覚えないのは、マルコム自身の動作が映像上、うまい具合に編集されているためです。省略されている、という表現のほうが適切かもしれません。

たとえばマルコムが初めから椅子に座っているシーンでは、当然ながら彼が椅子の背をひく動作は映っていません。

そのため、視聴者側はマルコムが椅子をひく動きを勝手に脳内補完してしまうんですね。これまた巧妙かつ計算された魅せ方だといえるでしょう

伏線④ コール少年の言葉「死んだ人はどこにでもいる。今もみえてる」

精神的に追いつめられたコール少年が、マルコムに自身の能力を打ち明ける場面。これまでに誰にも言えなかった秘密を涙を流しながら打ち明ける名子役ハーレイ・ジョエル・オスメントの演技力につい目がいきがちです。

が、このとき、実はコールはマルコム本人も幽霊であることを言外に伝えようとしていたのではないか…という説があります。

コールの能力や劇中に登場するさまざまな霊たちの姿からすると、コールの目にはマルコムが死んだときの状態=腹を撃たれ服が血に染まった状態で見えていたと考えられますね。

結末を知ってからあらためてこのシーンを見直すと、コールの言葉がまったく違う意味で聞こえてくるかもしれません。

伏線⑤ コールの身体に残る謎の傷跡

視覚的にわかりやすい伏線として提示されるのが、コール少年の身体のあちこちに残った謎の傷跡。一見、コールが母親から虐待を受けているのか? と思わせられますが、しかしこれはミスリード。

劇中で明示されているわけではありませんが、コールの傷跡はすべて、彼の周りに集まってくる幽霊のしわざであるというのが真実のようです。

ただ、劇中にはコールが幽霊から直接傷つけられているようなシーンは一度も出てきません。あくまで視聴者サイドの想像におまかせ…というふわっと演出が、より本作の奥深さを際立たせているような気がしますね。

伏線⑥ 母親に床洗剤を盛られ死んでしまった少女キラ

劇中にて、第六感をもつコール少年の前にはさまざまな霊が姿をあらわします。その中でもっとも印象的だったのは、母親に床洗剤を盛られ死んでしまった少女キラの存在でしょう。

娘の食事に毒を盛るという行為から、この母親はミュンヒハウゼン症候群であったのではないかという説がありますね。

この説は本編に直接関係があるわけではありませんが、何より「幽霊にもそれぞれ事情があり、伝えられない想いを抱えている」「だから成仏できずさまよっている」という幽霊サイドの事情をコール少年が(+視聴者サイドが)認識するうえで非常に重要な要素だったといえるでしょう。

伏線⑦ 過去の患者ヴィンセントも幽霊がみえていた

コール少年の秘密を知ったマルコムは、かつて自分が救えなかった患者ヴィンセントのことを思い出します。録音しておいたテープを聴き返すと……そこには『しにたくない』という音声が残っていました。

-

ヴィンセントもコール少年と同じ能力をもっていた…。このことに思い至ったマルコムはその後、コールの言うことを信じ、よりいっそう彼を理解しようと努力します。

このように、ストーリー冒頭に一瞬だけ登場するヴィンセントと主要キャラクター・コールに強い関連性があることも、本作の伏線かつ見どころの一つですね。

伏線⑧ コールやアンナの白い息

本作の伏線として注目されがちなのが、コール少年やマルコムの妻アンナの吐く”白い息”。コールの「寒い」という台詞からもわかる通り、この白い息はまぎれもなく彼らの周囲の気温が一時的に下がっていることをあらわしていると考えられます。

彼らが寒さを感じる条件は、幽霊がすぐ近くにいること、そしてその霊が特に強い感情をもっていることや気分が昂っていること。

視覚的に非常にわかりやすい演出でありながら、視聴者サイドにとらえどころのないミステリアスな空気感を伝えてくれる伏線の一つといえるでしょう。

【備考】映画『シックスセンス』に似ている映画は?

映画『シックスセンス』みたいな映画はほかにもあります。

「アザーズ」(2001年):ザ・幽霊ものオカルトサスペンス。ラストのオチが似ている。
・「ドリーム・ハウス」(2011年):ラストのどんでん返しあり。
・「スケルトン・キー」(2005年):ラストのどんでん返しが見どころ。
・「プロフェシー」(2002年):超能力系ミステリー・スリラー
・「ハプニング」(2008年):本作と同じM・ナイト・シャマラン監督作品のサスペンス。

タイトルとURLをコピーしました