2024年~2025年、ついにアニメ映画化をはたした『怪盗クイーン』シリーズ。はやみねファンはもちろん、多くの人にその魅力が知れ渡りつつある昨今。今回は、クイーンシリーズの読む順番や時系列について、内容のネタバレ感想とあわせてまとめました。
- 【ネタバレ感想】怪盗クイーンの順番は?ジョーカーとの出逢い~時系列まとめ
- ①『前史』クイーンが皇帝(アンプルール)のもとを巣立った頃
- ②『出逢い』クイーンとジョーカーの出逢い
- ③『怪盗クイーンからの予告状』クイジョ×RDの出逢い
- ④『サーカスがお好き』2024年アニメ映画化
- ⑤『優雅な休暇』ジョーカー×イルマ姫との出逢い
- ⑥『魔窟王』ジョーカー×ヴォルフ初対戦
- ⑦【番外編】『オリエント急行とパンドラの匣』ヤウズ初登場
- ⑧『仮面舞踏会』~『月の砂漠』アナミナティ「ピラミッドキャップ」
- ⑨『かぐや姫』アナミナティ「蓬莱」
- ⑩『錬金術師』~『魔界の陰陽師』バスパ前後編。ジョーカーの死と過去
- ⑪『ブラッククイーン』~『ケニア』
- ⑫『ニースの休日』~『モナコの決戦』ジョーカー×シド再会
- ⑬『煉獄金貨』~『楽園の名画』
- ⑭『NYでお仕事を』『摩天楼は燃えているか』バトルロイヤル前後編
- ⑮『インド もう一つのゼロ』アナミナティ「アムリタ」の謎
- 2025年『怪盗クイーン』の最新刊はいつ発売?(予想)
【ネタバレ感想】怪盗クイーンの順番は?ジョーカーとの出逢い~時系列まとめ
①『前史』クイーンが皇帝(アンプルール)のもとを巣立った頃
『前史』は、「怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーン エピソード0」に収録された短編。まだトルバドゥールにジョーカーもRDもいない頃の貴重エピソードですね。
ただし、どちらかといえばクイーンというより暗殺集団「初楼(ういろう)」に焦点を当てたお話といえます。
この時期のクイーン、個人的にはすごく好きなんですよね……。スタイリッシュで影があってとにかくめちゃくちゃかっこいいイメージがあります。
まだお小言を言う人が誰もいないこともあってか、スッと背筋伸ばして立って、一人で全世界を相手にしている雰囲気が強い。もちろん最近の可愛いキャラもいいけど、欲を言えばこういうクイーンももっと見たい。
②『出逢い』クイーンとジョーカーの出逢い
クイーンとジョーカーの出逢いを描いた短編。雪の降り積もるとある街角にて、行き倒れていたジョーカーくんにクイーンが声を掛けます。
「凍死しかけてるぼくを、誰も助けようとしなかった。あなただけです」
(『月の砂漠』にてジョーカー談)
クイーンいわく、ジョーカーに声をかけたのは単なる「気まぐれ」らしい。まあ怪盗は正義の味方ではないからね。
初読の際はとにかくジョーカーくんが想像以上に痛ましい状態なので胸が痛む人も多いでしょう。しかしクイーン×ジョーカーのやり取りがとにかく良い。
「死ぬ気なのかい?」
「ぼくは、生きる」
尊すぎるパートナーシップが生まれた偉大な瞬間。
短編といえど、いつかぜひアニメ版でみたいワンシーンです。
③『怪盗クイーンからの予告状』クイジョ×RDの出逢い
倉木博士のもとからRDを盗み出すエピソード。青い鳥文庫の一つの企画からこの偉大なシリーズが生まれたと思うと感慨深いですよね。
RDを盗む計画を持ってきたのがクイーンではなく、意外にもジョーカーのほうだったというところも好き。
あと、この頃のRDが今よりちょっと幼いのが結構ツボです。人工知能といえど、倉木博士のことはちゃんと「母」と認識してるんだろうなあ。。
④『サーカスがお好き』2024年アニメ映画化
クイーン×ジョーカー×RDの初タッグが見られる貴重な一作。アニメ映画化された2024年を機に、はやみねファン以外にも魅力が広まるつつあるのがとても嬉しい。
舞台がサーカスということで一見ポップなお話かと思いきや、戦争の悲しみや痛ましさが随所にみられるのが印象的。個人的には、クイーンシリーズにおいて一番『夢水清史郎』シリーズに近い雰囲気の作品だと思っています。
⑤『優雅な休暇』ジョーカー×イルマ姫との出逢い
皆大好きイルマ姫が初登場。ついでにパシフィストも初登場。
さらには『前史』で出てきた伝説の暗殺集団「初楼(ういろう)」が勢ぞろい。
このバカンスでは、クイーンがすべてにおいてジョーカーよりうわてなところが全面に出ている印象。たとえるなら兄弟のような、時には母(父?)と息子のような。。
ちなみにクイーンがジョーカーの小さいときの写真を持ち歩いているエピが初めて出たのも、おそらくこの巻だったかと思います。
⑥『魔窟王』ジョーカー×ヴォルフ初対戦
13名しかいない探偵卿の一人、ヴォルフが初登場。最近ではすっかり面白キャラになりつつある彼ですが、この時期はなにげに知性派だったような気もします。
アナミナティの一つであるらしい半月石の描写もやたら不気味でしたね。あとはジョーカーくんがまだまだ初々しくて可愛いなあという印象強し。
⑦【番外編】『オリエント急行とパンドラの匣』ヤウズ初登場
『オリエント急行とパンドラの匣』は、夢水シリーズとコラボした番外編。
この番外編ではクイーンがジョーカーに紹介する日本の四季シリーズが初めて登場します。本書にて紹介されるのは「日本の冬」。ちなみに日本の初夏秋は『仮面舞踏会』~『月の砂漠』にて登場。
ついでにジョーカーくんと同じ収容所出身のヤウズくんも初登場。「先輩がうらやましかったんだ……」。うん、可愛い。若さゆえに尖りすぎている感じがたまりません。
⑧『仮面舞踏会』~『月の砂漠』アナミナティ「ピラミッドキャップ」
クイーンシリーズが幕を閉じた! とはやみねファンのあいだでささやかれたピラミッドキャップ前後編『仮面舞踏会』~『月の砂漠』。とにかくストーリーのスケールがデカすぎてファンとしてビビったのがいまだ記憶に新しい。
「ジョーカーくんとRDがいない世界は、わたしにとって何の価値もない」。このクイーンの名言に尽きる回でした。
⑨『かぐや姫』アナミナティ「蓬莱」
不老不死の妙薬「蓬莱」が登場。
「わたしのために、きみに蓬莱を飲んでほしかった…」ってクイーン、いくら何でも血迷いすぎたと思うのだけども。しかしクイジョファンとしてはとことん美味しい回ではありました。暗殺者・影郎もなにげにいい味出してたね。
⑩『錬金術師』~『魔界の陰陽師』バスパ前後編。ジョーカーの死と過去
ジョーカーの死が衝撃的すぎたバースデーパーティー前後編。ジョーカーが死んだと聞いたとたんいろんなもの割ったり壊したりしだすクイーンが好きすぎる。
そして、ジョーカーの過去も明らかに。シスという女性はジョーカーの母なのかと思っていたけど違ったのね。
人造人間が次々に登場したりもしましたが、個人的には「あなたが生まれたとき~」の章の感動がバスパ編のすべてです。もはやクイジョの極みな一冊。
⑪『ブラッククイーン』~『ケニア』
ブラッククイーン(ウァドエバー)やマライカ登場回。『ブラッククイーン』~『ケニア』の流れは、同じことを少しずつ異なる形で繰り返し描いているクイーンシリーズにおいてもちょっと異質な気がしています。
ひと言でいえば、作者が本格的にアナミナティに焦点を当て始めた、そしてそのことを読者サイドにも積極的に開示し始めた……とでもいうのでしょうか。
アナミナティ「エッグ」や「二二」の概要はぞっとしないものでしたし、いよいよ終章に入るための序章といった空気感さえ感じましたね。余談ですが、このあたりからヤウズくんがいよいよ年相応の少年ぽくなっていて非常に可愛い。
⑫『ニースの休日』~『モナコの決戦』ジョーカー×シド再会
ポルタ、オグロ、ラルウァ、そして陽炎村の一件に深く関わっているであろうクイーンの過去も垣間見える貴重な回。
さらには、T-25、T-28という無機質なコード番号で呼ばれていた少年二人がまさかの再会。現在のシドの立場に驚いた読者もきっと多いでしょう。なんだかんだでクイーンのそばを離れるという選択肢はないジョーカーくんがとことん尊い回でもあります。
⑬『煉獄金貨』~『楽園の名画』
呪われた金貨にいわくつきの名画。獲物だけをみれば、いかにも「怪盗クイーン」というタイトルがぴったりな2作。
作中ではこのあたりから、ICPOの危険な思想が徐々に明らかになっていきます。ICPOが正義で、対するクイーン、皇帝らが悪であるーーという前提がくるっとひっくり返された形ですね。この絶妙な魅せ方がすばらしい。
⑭『NYでお仕事を』『摩天楼は燃えているか』バトルロイヤル前後編
はやみね先生いわく、登場人物が増えすぎたので一掃したかった……という意味合いでの「バトルロイヤル」なのだそう。が、結果ほとんどのキャラクターが無事に生き残っています。
個人的には、シスターが登場するなら、クイーンと緋子の過去のあれこれももっと掘り下げられるものだと思っていたのだけども。緋子についてはいまだ謎が多いままです。というか本当に死んでいるのかな?
⑮『インド もう一つのゼロ』アナミナティ「アムリタ」の謎
いよいよ最終章に突入! という雰囲気の一冊。感想は以下にまとめました。
怪盗クイーン インド『もう一つの0』ネタバレ感想と考察|陽炎村につながる伏線
2025年『怪盗クイーン』の最新刊はいつ発売?(予想)
いよいよ『優雅な休暇』の上映もひかえた2025年。ついに動くイルマ姫に会えるのね。。(歓喜)
しかしながら本編ガチ勢としては、最新刊の発売が待ち遠しくてたまりません。ただの希望的観測ではありますが、前例を考えれば新刊発売は2025年7月~9月くらいになるんじゃないかなあ。まあ、過去巻を読み返しながら気長に待ちましょう!