女性向け漫画雑誌『BE・LOVE』にて連載中の王道ファンタジー『星降る王国のニナ』。ついにアニメ放送もスタートし、多くのファンタジーファンから注目を集めています。
今回は、『星降る王国のニナ』76話のネタバレ感想と考察について。
『星降る王国のニナ』最新76話ネタバレ感想と考察
アズールという男の真骨頂をここにみた

フォルトナへ帰還したアズール。
大上皇の最期の言葉「アズール…いやアステラ、愛していたよ」にぐっときました。この時点でアズにどっぷーり感情移入。いや~よかったよねえ…!
少なくともアズ自身は、自分が周囲に愛情をもらっているのは、アズールという人物をきっちり演じていることへの対価のように感じていたんじゃないかと思うのです。
まあそういう場面もあってしかりだと思うのだけど、でもやっぱり、実際は違うんだよな。
あの場面で本名を呼んでもらえるというのは、本当にアズにとって大きな出来事だっただろうと思います。国家のための存在としてではなく、ひとりの人間として初めてマトモに認めてもらった瞬間なんじゃないかなあ。
しかし、ヒカミは大上皇の死に目に会えなかったんだな…そうか……ここも地味にというか、めちゃくちゃ重いですよね。
それはさておき、基本的にアズは、単にヒロイン・ニナの相手役候補のひとりというより、むしろこの作品世界の複雑さや奥深さを巧妙に演出するためのキャラクターであると思っています。(言い方w)
何かね、ニナとはまたちょっと違う意味で、背負っているものが人一倍ずっしり重いタイプの人間だと思うんですよね。
ニナもまた、自分の出生や立場によって運命に翻弄されてきた人物です。が、おそらくは本人がそれをはっきり自覚して、「これがあたしの宿命なのよ!」と男前に背負ってしまっているからなのか、悲壮感みたいなものはあまり感じられない。
一方のアズの場合は、王族としての責任や、国の事情、周囲から向けられる期待などなど、あらゆるものを一方的に、全部ひっくるめて背負わされている。
たぶんだけどニナ以上に無意識に、「まあ俺の立場じゃこれが当たり前だよなあ」と反射的に受け入れてしまっている。
あまり「俺はこんなに苦労している!」と声高に主張するタイプじゃないのは美徳ですが、見ているほうとしては何かモヤってしまうのもまた事実。いや君、もうちょっとちゃんと怒っていいねんで……!? と思いながら見てしまう。
個人的には、少なくとも昔のアズは、どちらかといえば性善説を胸に生きているタイプの人だったと思うんです。
相手が誰であれ、すべてを受けとめようとして我慢に我慢を重ねて受け入れて、その結果かえって自分自身が苦境に追い込まれてしまう、優しすぎるがゆえに自分を犠牲にしてしまう人。
獣の神に関するあれこれは、彼のそういう「他者を信じようとする危うさ」をわかりやすく見せるためのエピソードでもあったんじゃないかと思うんですね。
それはもちろんアズの美点ではあるんですが、しかしそれが行き過ぎると、自分自身の意思や幸福まで差し出してしまうことになる。
しかしながら、すべて受けとめていれば、いつか報われる…的な少女漫画的ハッピーエンドは本作にはそう簡単には成立しません。
この作品世界におけるそういう理不尽さを、アズというキャラクターはかなり強烈に体現している気がします。
優しい人が、優しいままでいれば必ず幸せになれるわけじゃないし、誰かを理解しようとすることと、誰かの言いなりになることは違う。相手を受け入れることと、自分を捨てることも違う。
この作品はもう、そこを容赦なく突いてくるんですよね……!
アズは強くなったね。獣の神の甘言をもあっさり振り払うシーンはすばらしかった。
ここ、めちゃくちゃ大きな変化じゃないですか? 出自がどうだ、置かれた立場がどうだとか、そういう自分を縛りつけてきたしがらみや宿命をばっさり薙ぎ払って前に進んでいく逞しさを身に着けた感じがして、うわああもう好き……! となりました←
大上皇の「愛していた」が、アズの過去を肯定するだけではなく、これからのアズを過去から解放する言葉にも聞こえたのが個人的にはすごく印象的でした。
アズも、ニナも、それぞれが背負ってきたものを抱えながら、それでも少しずつ「自分はどうしたいのか」を選べるようになってきているのが良き良き。
なんとなく風呂敷をたたみ始めた感というか、終わりのはじまり感も漂っていた気がしますが…まあそれはそれ。ここからアズがどんなふうに生きていくのか、めちゃくちゃ楽しみです。アズ、ほんっっっと強くなったよ……!!
▼前回
最新72話ネタバレ感想と考察| ソル×アズ×セト、ソルの存在感に震えた
最新71話ネタバレ感想と考察| アズニナのお祭りデートに萌える
▼これまでの『星降る王国のニナ』ネタバレ感想記事をまとめています。
【ネタバレ】『星降る王国のニナ』最新話| 神秘とロマンあふれる漫画世界にがっつりハマる日々
