ドラマ『高校教師』第11話「永遠の眠りの中で」あらすじとネタバレ感想| 電車のラストシーンの意味は?

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高校教師 エンタメ

1993年放送のTBSドラマ『高校教師』は、真田広之演じる生物教師と桜井幸子演じる女子生徒のあいだに生じる禁断の愛を描いたストーリー。脚本は野島伸司。

今回は真田広之と桜井幸子の主演ドラマ『高校教師』第11話「永遠の眠りの中で」のあらすじとネタバレ感想・考察について。放送当時話題となったラストシーンにも触れています。

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真田広之・桜井幸子主演ドラマ『高校教師』11話のあらすじ

繭の父の死

前回10話ラストにて、空港で探し当てた繭の父親を刺した羽村。刺された父親は痛みにうめいたが、崩れ落ちることはなかった。

「このまま家に連れて帰ってくれ…早く…早く…!」
羽村と繭は協力して父親を支えながら、周囲に気づかれないようその場を立ち去った。

指先の震えが止まるまで気づくことができなかった
あれから僕たちは全てを失ってしまったね

『高校教師』11話 羽村モノローグより

自宅に戻り、繭の父は痛みに耐えながら静かに口をひらいた。
「どのみち、私はもう長くはなかった。医者からも見放されてね…。それならば最期は娘と、繭と二人で…と思いましてね」

一緒に死んでくれと言ったかもしれない。繭も嫌だとは言わなかっただろう…。
つぶやくように話し続ける父親の声は低くしわがれていた。

最期は繭と二人きりにしてほしい。その言葉に、羽村は静かに部屋を出た。

繭は何とか止血を試みるが、溢れ出す血は止まらない。
煙草を取ってきてくれ…。力なくそう言う父親に、繭は半ば逃げるように背を向けた。
一人になった父親は自ら油を被り、マッチで火をつけた。

繭を巻き込みたくない羽村の決断とは

繭の父の死はテレビのニュースで報道された。同時に、彼の娘である繭が行方不明になっていることも…。

羽村は繭を連れて、新庄の家を訪ねた。一連の出来事を打ち明けると、新庄はこう聞いた。
誰かに見られたか? 空港で誰かに見られたのか…?

警察は娘である繭を探している。いずれは羽村も…。逃げるところを目撃されているかいないかで、今後の処遇が変わってくるかもしれない。

羽村は自首する気だったが、新庄がそれを止めた。繭の父は、二人を巻き込まないようにあえて自宅へ戻ったのではないか…。殺人犯になれば、羽村だけでなく彼の親族すべての人生に影響が出るだろう。だからこそ、今は様子をみるほうが得策と考えたのだ。

ひとまず、繭は親友の直子のところへ。直子は父を亡くした繭を気遣い、明るく話しかけてくれる。が、羽村が気になって仕方ない繭は直子の家を飛び出し、羽村のもとへ向かった。

ダメじゃないか、うちに来ちゃ…
警察は他殺の線を疑っている。だからこそ、羽村は繭を巻き込みたくないのだった。自首するつもりだという羽村を、繭は必死になって止める。

また一人になってしまう…一人はもう嫌だ。先生がいないと一人と同じだよ。先生が捕まったら、あたし全部話すから。本当にあったことを全部、警察に話す…。

泣きながらそう言う繭に、羽村はこう言った。
明日早くここをたとう。僕の田舎へ行こう。前に約束したように…」

繭はようやく泣き止み、笑顔をみせた。
しかし翌朝…繭が目を覚ますと、羽村はもういなかった。

「嘘つき…」繭は思わずそうつぶやいた。

永遠の眠りの中で…

新庄に繭を託した羽村

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羽村は新庄とともに駅にいた。この地をはなれ、警察の手を逃れるために…。

こうなったら、自首したほうがお前のためにも良いんじゃないか?
そう言う新庄に、羽村は「繭をさらし者にしたくない」と返す。父親との関係がもし公になれば、世間からどんな目で見られるかわからない。

「彼女のことをお願いします。新庄先生になら、いつかきっと心をひらいていくと思うんです…」
「…わかった」

羽村の心中を察してうなずいた新庄は、羽村に金を渡そうとする。受け取ろうとしない羽村に「まさか死ぬつもりじゃないだろうな」と聞くが、羽村は否定した。やってきた電車に羽村が乗り込む。ホームを去る電車が見えなくなるまで、新庄はその場に立ち尽くしていた。

電車の中、問題のラストシーン

電車の中、羽村は繭と出会ってからの出来事を思い返していた。

繭と過ごしたこの一年…。高校教師となりそして大学に戻るという、はじめに思い描いていた形とはまるで違う。楽しかったこともつらかったこと、裏切られたこともあった。それでも一瞬一瞬は輝いていて、生まれてこれまでにない貴重な時間だったのだ。

羽村はふと顔を上げた。視線の先には、制服に身を包んだ繭の姿が…。

繭は近づいてきて、ごく自然に羽村のとなりに腰掛けた。二人は羽村の田舎に立ち寄り、弁当を食べ、海を見て、ひたすら穏やかな時間を過ごした。

人気のなくなった電車の中、車掌が二人に声をかける。
「お客さん、コートが落ちていますよ。お客さん…」

返事はない。眠っているのか…車掌はそのまま立ち去った。
羽村と繭は互いに寄り添って目を閉じていた。二人の小指は赤い糸で結ばれている。

刹那、繭の片腕が肘掛けをすべり落ち、力なくだらんとたれた。

ドラマ『高校教師』、電車でのラストシーンはどういう意味なのか?

羽村と繭の「心中」、あるいは羽村の「自死」?

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1993年ドラマ『高校教師』、ラストの電車内のシーンについては、放送当時からさまざまな考察が飛び交っていたことと思います。

中でもよく聞くのが、ラストシーンは羽村と繭、二人の「心中」を意味しているのではないかという説。そもそもラストシーンにて二人の小指がとうとつに赤い糸で結ばれている演出もいかにも隠喩的ですし、たしかに芯をついた一説であると思います。

一方、時おり目にするのが、羽村が一人で死を選んだのではないか、という説。

ストーリーの展開上、繭が羽村に追いつくのはほぼ不可能ではないかと思われますし、繭が登場した後に続くやたら和やかなシーン、おだやかな空気感もどこか違和感があります。つまり、電車にあらわれた繭の姿は、死を目前にした羽村の妄想の産物単なる理想の世界線にすぎないのではないか、という見方ですね。

もちろんドラマの見方に正解などありませんが、個人的には後者の説を推しています。繭に対して最後の最後まで”教師”の立場で接そうとあがき続けた羽村を思うと、やはり彼女を道連れに死を選ぶ道はちょっと違和感があるなあと。

これまで描写されてきた人物像を考えれば、彼は決して責任感に欠けた人間ではありません。むしろ、場面場面においては多少被虐的な一面すらあるのではないかと。最終話についても、繭に対しては「巻き込みたくない」の一点ばりでしたしね。とすると、「死ぬつもりなのではないか」という新庄の直感は、やはり正しかったことになります。

とはいえ”心中”説のほうがドラマとしては圧倒的に盛り上がりますし、最期を二人きりで迎えられたという点ではある種のハッピーエンドとも言えるのかもしれません。だからこそ、制作サイドもラストシーンをあいまいな描写、表現に終着させたのではないでしょうか。

○ドラマ『高校教師』感想考察一覧

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