1997年10月に放送されたTBSドラマ『青い鳥』は、幸せを求めさまよう男女を描いたラブストーリー。出演者は主演の豊川悦司のほか、夏川結衣、佐野史郎、永作博美、鈴木杏など。
ただ、不義の愛という設定や展開に『気持ち悪い』など賛否両論の意見もみられます。
今回は豊川悦司主演ドラマ『青い鳥』第１話『許されない愛』のあらすじとネタバレ感想について。
ドラマ『青い鳥』１話『許されない愛』のあらすじ
柴田理森（豊川悦司）は、長野の田舎で駅員として勤務。駅長である父・憲史（前田吟）と二人きりで静かに暮らしている。
理森の家には、幼なじみである食堂の娘・秋本美紀子（永作博美）がおかずを持ってしょちゅう訪ねてくる。理森と軽口を叩き合い、父の憲史のことも慕っている彼女は、内心で理森に想いを寄せている。
そんなある日、彼らが暮らす小さな街に、洗練された派手な雰囲気をもつ女性・町村かほり（夏川結衣）が夫と娘とともに越してくる。
かほりの夫・広務（佐野史郎）の父親は、この街の権力者である綿貫純一朗（仲谷昇）。彼はかほりのことをよく思っておらず、常に厳しい態度をとっていた。
そんな折、かほりの娘・詩織（鈴木杏）は、駅員として働く理森と親しくなり「駅長さん」と呼んで慕うようになる。
そして、理森とかほりもついに駅で顔を合わせ…。
ドラマ『青い鳥』1話のネタバレ感想・考察
ドラマ『青い鳥』の特徴は、主人公・理森が人妻のかほりに惹かれていく、その心の動きをあらわす描写がとても丁寧に描かれているところだと思う。
物語の序盤で理森がいきなりかほりと顔を合わせるわけではない。街角や喫茶店などで都合よく出会い、そのまま惹かれていく…というようなありがちな設定もない。
理森がまず気にかけるのはかほりではなく、かほりの娘・詩織なのだ。
『何もお願いがないのは幸せってことでしょ？』
詩織のこの言葉が、彼女の日々の心境、ひいては母であるかほりの心境を一番明確にあらわしているような気がする。
願いがないなんて、本来は幸せなことなのだ。でもそのことを本当に理解できるのは、願って願って、その願いを常に踏みにじられてもはや願うことすらできなくなった人たちだけなのかもしれない。
『青い鳥』１話のラストシーンにて、理森は駅でまつ詩織を迎えに来たかほり（夏川結衣）と初めて対面する。本降りの雨の中、かほりが手にしていた真っ赤な傘が風にあおられ、ぱっと空中にとぶ。その様子をぼうぜんと眺める理森。
雨の中に立つかほりを初めて見たとき、理森は何を思ったのだろう。きっとあの一瞬、彼の頭にはかたわらにいる詩織の存在はなかっただろうと思う。一目ぼれ…に近いのかもしれないが、しかし恋愛的に惚れたというよりは、彼女の陰のある目元やどこか陰の雰囲気のあるたたずまいに惹かれた、というほうが正しいのかもしれない。
また、主題歌『Wanderin’Destiny』の歌詞もすばらしい。
＜あなたを信じたら あなたと死ねたら＞。強烈な歌詞だ。でも理森とかほりの出会いや関係性、運命を考えると、これ以上適切な表現はどこにもないとさえ思う。
理森、詩織、そしてかほり、３人が顔を合わせた場面で終わった第１話。
第２話のタイトルは『秘密の絆』。
３人の哀しい運命の扉がゆっくりとひらいていく。
＊『青い鳥』第２話感想はこちら
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