【暁のヨナ】ヨナの告白は何話？『聞こえましたけど』の破壊力【ネタバレ考察】

白泉社が発行する漫画雑誌【花とゆめ】にて連載中の少女漫画『暁のヨナ』。ヒロイン・ヨナと従者ハクの恋模様も見どころの一つです。ヨナの告白は何話？　ハクの反応は？　177話『聞こえましたけど』をネタバレしつつふり返ります。

【ネタバレ】『暁のヨナ』ヨナの告白は何話？

ヒロイン・ヨナが従者ハクに告白するのは、本作31巻の176話『聞こえた？』エピソードにて。告白の言葉は『わたし　ハクがすき』というストレートなものでした。

戦に巻き込まれ、しばらく戒帝国側に囚われていたヨナ。再会したハクへの想いが溢れだした瞬間でした。が、問題なのは当のハクの反応のほうで……。

『暁のヨナ』177話、ハクの反応「聞こえましたけど」の意味を考える

このエピソードの見どころは、満を持して告白したヨナ姫のほうではなく、告白を受けたハクの反応のほうだと思うんですよね。

同じく31巻177話『聞こえましたけど』にて、ハクの反応、表情、言動すべてがもー本当にどーしようもないくらいハクすぎてたまらない。「聞こえましたけど。もう少し聞きたい」 。ヒロインの愛の告白を無表情で掘り下げようとするこの朴念仁ぶりにヨナ姫もたじたじです。

少女漫画というジャンルコンテンツにおいて、ヒロインたる少女の告白なんてもはや最大の注目イベントだと思うんですよね。が、その大イベントをメインヒーロー自らがさらっと流すのが『暁のヨナ』の良いところ。

物語冒頭ではわがままな箱入り娘として描かれていたヨナ姫ですが、彼女は本来、決して自己中心的な女性ではありません。番外編などでちょいちょい描かれてきましたが、城にいるころから、一国の姫として自身の置かれた立場を冷静な目で眺めて、正しく理解し受け入れることができていたはず。

「受けとめてー受けとめてー」と求めるばかりのヒロインが突き進む世界は、言うまでもなく、早い段階で破綻します。

ヨナ本人がそれを無意識下で知っていたからこそ、幼なじみであるハクやスウォンとの関係性もずっとうまくいっていました。少なくともスウォンが謀反を起こしたあの夜までは。

話は戻りますが、176話での「ハク、聞こえた？」は、そんなヨナ姫が久々に発した「私を受け止めてほしい！」のサインだったはず。ハクと恋人同士になるならないという話ではなく、おそらくはもっと根本的な、精神的な部分で。

ハクが彼女を”受け入れなかった”とはいいません。「聞こえましたけど」のひと言は、あくまで当時のハクのスタンスを読者サイドにわかりやすく提示するためのものだったのかなあと予想しています。

『暁のヨナ』最新話まで読了済みの読者にはよーくわかると思うのですが、草凪みずほ先生が本作を通して本当に描きたいことって、絶対に惚れたはれたのあれこれではないんですよね。

非常に概念的な話になってしまいますが、『暁のヨナ』は各キャラクターの精神構造に着目して読んでいくとものすごーく楽しめる作品なのだと思うのです。

ハクの告白「俺が好きなのあんただから！」、ヨナの告白「わたし　ハクが好き」。互いに好意を伝えた時点で一つの段落は確実に終わっているはずなのに、読者陣にはまるで終わりがみえない。この独特の魅せ方こそが、ヨナの面白さや見どころそのものなんだよなーと思っています。

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