『暁のヨナ』最新257話(44巻収録) ネタバレ感想と考察| 四龍とハクのいない未来

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白泉社が発行する漫画雑誌【花とゆめ】にて連載中の少女漫画『暁のヨナ』。
アニメ化や舞台化、さらにはヨナカフェなどさまざまな関連イベントも開催されており、メディアミックス作品としても注目を集めています。今回は漫画【暁のヨナ】最新257巻(44巻)のネタバレ感想・考察について。

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【暁のヨナ】最新257巻(44巻)のネタバレ感想・考察

1話冒頭につながる未来がみえてきた

「あれは未来の私…?」
おっと、いきなりきましたね。ザ・スピリチュアルを突き詰めたパラレル夢展開。1話冒頭が夢オチなんじゃないか、いやそれだけはやめてくれと内心で願っていたヨナ読者、実は結構多いんじゃないでしょうか。

ロングヘアをなびかせた大人ヨナ、たったワンシーンとはいえマジでかっこいいですしね。絵面として綺麗すぎるがゆえの夢っぽさ、現実味のなさはたしかにある。

それにしても全体的にスピ感強めの回でしたね。夢の中で過去の人と会う、あるいは未来の自分の姿をみる。こういった話はスピ系好きな人は大好物なんじゃないでしょうか。いや、ヨナ読者にその手の人がいるかどうかは知りませんけども…。

しかし思い起こせば、本作にはわりとその要素が多いように思います。正真正銘の人外である四龍はさておき、その他…表面上は”ふつうの人間”であるにもかかわらず透視能力・予知能力をもつカシ様やイクス。そしてカシと同類の能力をもちあわせたヒロイン・ヨナ姫。

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これまではヨナのこうした能力がカシゆずりのものなのか、もしくは緋龍の化身である所以なのか、作中では明示されてこなかったように思います。しかし本話において、やはり緋龍の生まれ変わりであるゆえの能力だった…という説がより濃厚になったのかなと。

作中にてゼノが「緋龍王は俺たちと違ってただの人間だからなあ」という趣旨の発言を何度もしていますが、実際、ほんとうに”ただの人間”であれば緋龍の化身としての務めは到底果たせないんじゃないかと思うんですよね。

今回はある意味で、その裏付けがされた回ともいえるんじゃないでしょうか。

歴代四龍の背負った業の深さ

本作において特に面白いなあと思うのは、歴代の四龍たち、そして不死の身体をもつゼノの背負った業の深さです。

なんといいますか、こうした人外の能力をもつキャラが多数登場し崇められるファンタジー作品はわりと多いように思うのですが、そうしたキャラがここまでの重荷を強制的に背負わされるのはひかえめに言って”すごい”ですし、それを少女漫画でやっているというのがまた良いなぁと。青年向け漫画ならよくみますけどね。

初代緋龍王の「どうして四龍を生み出すことを許してしまったのか…」という台詞がまた重いですが、結局そこを握っているのは緋龍ではなく龍神であるはず。

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当時の緋龍王の言葉一つひとつ、そして内面描写はあまりにも苦しいし、四龍の存在が物理的支えになってはいても精神的支えにはなっていないのがまた悲しい。四龍のうちでも敏感なゼノはきっと当時から、緋龍王の抱える複雑さを薄々察していたことでしょう。

キャラクター設定、ストーリー展開ともに全くといってリアリティはないのに、キャラクター各々の抱える苦しみがそれはもう息苦しくなるくらい巧妙に描かれているところが個人的にはとても好きです。

四龍とハクのいない世界、ヨナにとって苦しいものになるのは百も承知だけれど、一つの物語としては非常に美しい着地点だと思う。この息苦しい世界観が最終的にどこに行きつくのか…という着地点が少しずつみえてきた、そんなエピソードだったなあと思います。

『暁のヨナ』感想考察一覧 | いとのろぐ

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