『暁のヨナ』121話(21巻収録)『あの日から』ネタバレ感想と考察| ハクとスウォン、そしてヨナ

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エンタメ

白泉社が発行する漫画雑誌【花とゆめ】にて連載中の少女漫画『暁のヨナ』。
アニメ化や舞台化、さらにはヨナカフェなどさまざまな関連イベントも開催されており、メディアミックス作品としても注目を集めています。

今回は漫画【暁のヨナ】121話(21巻収録)『あの日から』のネタバレ感想と考察について。

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『暁のヨナ』121話(21巻収録)『あの日から』のネタバレ感想と考察

ただ見とれた
ハク スウォン あなた達が共に在ったのなら
一体どれだけの事を成し遂げる事が出来ただろう
今なぜ私達はこんな風になってしまったのだろう

『暁のヨナ』121話ヨナモノローグ

上記は作中にて、処刑台に立たされ窮地に陥ったリリがハク&スウォンの機転により救い出されたシーンを目の当たりにしたヨナのモノローグです。

この台詞はリリのピンチとあわせて描かれていますし、加えてあくまでヨナの”心の声である”という点から、読者サイドの興味関心はどちらかというとリリが助かるのかどうか、そして彼女を助けたハクとスウォンの2人のほうへ向かいがちですよね。

が、個人的にはこのシーンにおいてもっとも注目すべきなのは、やはりヒロインたるヨナ姫の行動と言動なんじゃないかなあと思うのです。

「ハク スウォン あなた達がともに在ったのなら」

「なぜ私達はこんな風になってしまったのだろう」。つまり、ヨナからしてもやはり、現在の形は本来あるべき姿と著しくかけ離れているということになります。では、”あるべき姿”とははたして何なのか? 

ハク スウォン あなた達がともに在ったのなら」。こう考えているとき、おそらくヨナの意識下には彼女自身の存在はなかったはず。あくまで”幼なじみ”であり、なおかつ”自分にとって大切な人”として、ハクとスウォンの両名について純粋に思いを馳せている。

ハクとスウォンの2人を指す「あなた達」が前提として存在しなければ、ヨナ・ハク・スウォンの3名を指す「私たち」はうまく機能しないであろうことを、彼女自身が無意識のうちに認めてしまっているんですね。さらっと流されている気がしますが、仮にもスウォンに対し恋情を抱いていた立場としては結構すごい思考回路と言えるんじゃないでしょうか。

もちろんこのシーンにおいては、他ならぬ2人がリリを救ったのですから当然のこととも言えます。それでも『暁のヨナ』作中において、ヒロインであるヨナ自身がここまで素直にハクとスウォンのニコイチ感を意識し読者サイドにはっきり提示することは、実は初めてだったように思うんですね。

おっと、ニコイチという表現はあるいはあまり正しくないのかもしれません。ソウルメイト、ツインズ…、まあニュアンスが伝わるなら何でも良いのですが笑。

さらに語るならこの他者中心的な思考回路こそ、ヨナが姫君でありながら姫君らしくない所以ではないかと思うのです。自分自身もさらわれて大変な目にあってきて、本来ならもっと私が!私が!感出しちゃって良いはずなのに思考の中でさえその感覚、あまりないですよね。

幸せと痛みは等価交換できるようなものでは決してありませんが、ヨナ作中ではわりとそれらが交互に、バランス良く描かれていて、だからこそ全体的な空気感がさほどシリアスに重~くなりすぎずに楽しめたりします。

この感じ、最高なんですが、しかしだからこそ一つひとつの表現、うっかり読み飛ばしてしまいそうなさりげないモノローグの中に登場キャラの深い心情が滲んでいることも。この121話は、実はそうしたさりげな~い表現描写の最骨頂だったんじゃないのかなと思います。

漫画『暁のヨナ』感想考察一覧

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