【解説】『おれはかまきり』は何年生の教科書?作者かまきりりゅうじとは誰?

-

※記事内にPRを含む場合があります

エンタメ

詩人・工藤直子さんによる『おれはかまきり』は、昆虫のかまきりの視点から綴られるユーモラスな一作。あれ、「かまきりりゅうじ」って誰? そもそも『おれはかまきり』は何年生の教科書に載ってた? いろいろ振り返りつつご紹介します。

-

『おれはかまきり』の作者「かまきりりゅうじ」とは誰?

「かまきりりゅうじ」の正体は詩人・工藤直子さん

『おれはかまきり』という詩を作ったのは、詩人の工藤直子さん。しかし、この詩の語り手は工藤直子さん自身ではなく、あくまで「かまきりりゅうじ」というキャラクター自身である、というスタンスです。

主人公である「かまきりりゅうじ」が、自らの生き様や信念をストレートに語るという独特かつ唯一無二の表現形式がとにかく魅力的。これはもう昆虫マニアの子どもでなくても惚れ惚れしてしまいます。

初見のとき「うわっ何これ……なんかすごい!」と印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

『おれはかまきり』いつ習う?何年生の教科書に載っていた?

だいたい中1、人によっては小学校で学ぶケースも

『おれはかまきり』(『のはらうた』より)は中学校1年生の国語の教科書に掲載されています。

が、人によっては「小学生のときに暗唱したよ!」「小学校の朗読会でやったよ!」という声もちらほら。

『おれはかまきり』はひねったわかりにくい表現がないシンプルな詩なので、小学生でも十分その魅力を理解できると思います。

というか圧倒的に小学生のほうが昆虫フリークは多いのにね……。中学生ってすでにちょっと大人じゃん……表立って「昆虫好きです!」とか言いにくくなってくるじゃん……。

冗談はさておき、個人的にはより感性が豊かな幼い時期に触れてほしいなあと思うんですよね。

-

【解説】『おれはかまきり』の表現技法は?何がすごいのか

『おれはかまきり』全文

おれはかまきり   かまきりりゅうじ

おう なつだぜ  
おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
おれの こころも かまも
どきどきするほどひかってるぜ

おう あついぜ
おれは がんばるぜ
もえる ひをあびて
かまを ふりかざす すがた
わくわくするほどきまってるぜ

「かまきりの存在意義」を全力で強調する作品

『おれはかまきり』のすごさとははたしてどこにあるのでしょうか。

まず注目すべきは、その表現の素直さです。
この作品には、余計な装飾語が一切ありません。

また、かまきりの視点で語られる点も斬新で面白いんですよね。

子ども向けの詩や絵本には、作品を作る大人の感情や教育論が入りがちですが、『おれはかまきり』にはそれがありません。だからこそ、読者はスッと物語に入り込めるのです。

さらに特筆すべきは、作者かまきりりゅうじが「かまきりの存在意義」を強調することに全力を注いでいる点でしょう。

自分の役割に誇りを持ち、「これがおれだ!」と堂々と宣言するかまきりが「かまをふりかざす」姿。まさに昆虫好きにはたまらないワンシーンでしょうね。

余分な要素をすべて削ぎ落とした唯一無二の表現が、私たちにかまきりの「生きざま」そのものを見せてくれる。まるで禅の境地を感じさせるこのシンプルさが、かえって深みを生むのです。

▼「おれはかまきり」掲載

タイトルとURLをコピーしました