シンガーソングライター崎山蒼志(さきやま そうし)さんは現在21歳。2018年に『バラエティ開拓バラエティ 日村がゆく』に出演したことがきっかけで広く知られるようになり、歌詞やギターがとにかくすごいと注目を集めている。
今回は天才シンガーソングライター崎山蒼志のおすすめ曲8選について、歌詞の意味・解釈と合わせてご紹介!
【歌詞の意味】崎山蒼志のおすすめ曲8選!
①神経
崎山蒼志の【神経】は、2018年リリースのアルバム【神経】収録曲。
崎山蒼志自身が広く知られるきっかけとなった名曲【夏至】や【五月雨】に続いて3曲目にリリースした当楽曲は、歌とギターのみの一発録音。
外気の流れにさからうのは
埼山蒼志【神経】
僕の意思じゃないなにかで
歌詞の中に「僕の意思じゃないなにか」という不明瞭な表現があるのが興味深い。自分自身(歌の主人公)としての視点とは少し違い、ある意味で”第三者的な”、少しひいた視点で物事に対峙しているこの姿勢や在り方がいかにも埼山蒼志らしくて好ましい。
②目を閉じて、失せるから
崎山蒼志の【目を閉じて、失せるから】は、2021年リリースのアルバム【 find fuse in youth】収録曲。
ちょっとダークな雰囲気の音とフレーズをひたすらくり返す独特の歌詞が妙に癖になる。
傾いた肉体合戦 そこには俺はいなくて
埼山蒼志【目を閉じて 失せるから】
傾いた肉体が線 そこには君もいなくて
歌詞の意味も世界観も明瞭ではないのに、なぜかものすごく強いメッセージ性を感じる一曲。歌詞や全体の雰囲気が代表曲【五月雨】にちょっと近いような、そうでもないような。
③そのままどこか
崎山蒼志の【そのままどこか】は、2021年リリースのアルバム【 find fuse in youth】収録曲。
過去インタビューによると、スタッフの「ラブソングを書いてみたら?」の一言をきっかけに生まれて初めて作ったラブソングがこの曲なのだという。
ずっと夜までも
埼山蒼志【そのままどこか】
真澄の空が月へと続いてく
ラブソングといっても、明確な恋愛感情や描写を示すフレーズはほとんどない。代わりに「空」の描写がものすごく丁寧で美しいのが印象的だ。「夕焼け前の空」「真澄の空」「夕立ち前の空」などなど…。
まるで空の色が主人公の心情をそのまま表しているようにも思える。短編小説のような、あるいは絵画のようなふしぎな空気感をもつ一曲。
④旅の中で
崎山蒼志の【旅の中で】は、2018年リリースのファーストアルバム【いつかみた国】収録曲。
息をのむほど美しい
埼山蒼志【旅の中で】
光が僕らをつらぬくようだ
フレーズの一つ一つに透明感があり、加えて純文学のような独特の世界観を感じさせる。
崎山蒼志特有のあの独特のコード進行、そして脳に直接響き渡るようなあの声色を最大限に堪能できる一曲。ライブ音源は特におすすめしたい。
⑤泡みたく輝いて
崎山蒼志【泡みたく輝いて】は、2019年リリースのアルバム【並む踊り】収録曲。ドラマ【平成物語】の主題歌として書き下ろされた一曲として広く知られている。
ドラマ【平成物語】はメインキャストをはじめ、監督や脚本、音楽など全て「平成生まれ」のスタッフにより制作されたオリジナルストーリー。
優しさってなんだろうね
埼山蒼志【泡みたく輝いて】
真夜中に考えても分からないね
形を探して 無駄を食べ合って
この【無駄を食べ合って】という表現、ここにものすごく埼山くんみが溢れている気がして個人的にすごく気に入っている。
無駄を食べ合う、つまり互いのどうしようもない部分を認め合う、みたいな意味合いなのだろうか。何にしても、それをストレートな言葉にせずあえてちょっと曖昧な表現に濁すところが非常に埼山蒼志らしい。
⑥柔らかな心地
崎山蒼志の【柔らかな心地】は、2019年リリースのアルバム【並む踊り】収録曲。
崎山蒼志が徒然草の第15段を「旅に出ると目がさめるような心地になり、心の動きが敏感になっていい」と再解釈した上で制作された一曲だ。
ちなみに一般的な解釈としては「旅先にいると、それが何処であれ、非常に新鮮な気持ちになるものだ」というところ。
「心の動きが敏感になる」という表現が出てくるのはやはり、表現者ならではなのかもしれない。
<柔らかな心地に呑まれて 空気と線を越えて 大切なものはまた輝くだろう そうだろう そうだろう>、歌詞・サウンド感ともに解放感溢れる一曲。
⑦塔と海
崎山蒼志の【塔と海】は、2018年リリースのアルバム【いつかみた国】収録曲。
この曲について印象的なのは、やはり出だしのフレーズ<模範的な夜の森林くぐりぬけて 大きなトンネルを通過したら 人工的な塔が見える>。
「模範的な森林」とははたしてどんなものなのか。
木々が整然と並んでいる様子がなんとなく目に浮かぶが、それでもすぐには意味が取りづらいのが正直なところ。それでもなぜか聴き手の想像力をかき立てる、そこはかとなく魅力的な表現だなあと思う。
また<大きなトンネルを通過したら>という表現に、なんとなく青葉市子さんの名曲【いきのこり●ぼくら】を思い出した。どことなく不可思議な雰囲気をもつ一曲。
⑧燈
崎山蒼志の【燈】は、テレビアニメ『呪術廻戦「懐玉・玉折」』エンディング・テーマとして提供された一曲。リリースは2023年。感想は下記記事にて。