漫画家・イラストレーターのナガノ氏による漫画作品「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」の登場キャラクター「ちいかわ」はいまや老若男女問わず大人気。書籍化にとどまらず、アニメ化やコラボカフェの発足などさまざまなメディアミックスにより注目度は高まるばかりです。
今回はちいかわがなぜこれほど流行ったのか、その人気の秘密を解説します。
「ちいかわ」連載はX(旧Twitter)で始まった
ちいかわはその可愛らしい見た目から、ポムポムプリンやキキララなどのサンリオキャラクターと混同されがちです。ですがもともとは、漫画化・イラストレーターのナガノ氏のXアカウントで「こういう風になって暮らしたい」という説明とともに発表されたものでした(初出2017年)。
その後、2020年よりX上で連載が始まり、2022年よりアニメ化もされています。
ちいかわが人気の理由は?
子供や女性だけでなく男性ファンも多いというちいかわ。近年は頻繁にSNSのトレンド入りしたり、またコラボ商品が爆売れしたりと絶大な人気を誇っています。なぜちいかわはこれほど多くの人々の心を射止めるのか、その理由はちいかわキャラクターたちの生きる舞台設定にあります。
ちいかわたちはシビアな世界観に生きている
見た目がふわふわして可愛らしいちいかわたちは一見ファンシーな世界に生きていると思われがちです。しかし実際は私たちと全く同じ、汗水流して働かなければ何も得られないという、極めて現実的なシビアな世界を生きている。この舞台設定、キャラクター設定に親近感を覚える人も多いのだといいます。
本作はメインキャラであるちいかわ、ちいかわの友人であるハチワレ、うさぎの日常を一話完結という形でゆるく描いていますが、その内情はとんでもなくシビアで、時には読む人の心をグサグサとえぐるほど。
たとえば友人と一緒に試験を受けた結果、片方だけが合格してしまい気まずくなってしまうエピソードや、欲しいものを出せる杖を使った結果怪物になってしまうエピソードなどなど、あ~現実ってこうだよなあとため息をついてしまうほどのリアリティに溢れています。
いろいろと一筋縄ではいかないこの感じ、まるでドラえもんの便利グッズを使ってもなぜかうまくいかないのび太くんを見ているよう。いろんな意味で親しみやすいリアルな世界観こそが、人気の理由の一つと言えるのではないでしょうか。
まとめ -ゆるキャラにハマるわたしたち-
ふなっしーやくまモンといったゆるキャラが流行り始めてからというもの、いわゆる”カッコいいキャラ”よりも、可愛らしく親しみやすい二次元キャラにハマる人、癒しを求める人の数が徐々に増えてきました。
今回紹介した『ちいかわ』も、いわゆる「カッコいい」キャラクターというわけではありません。
私たちと同じようにさまざまな危険やストレスと隣り合わせの世界で生きている彼らは、それでもやはり生きることを”楽しんで”いるように見えます。
作者ナガノ氏の「こういう風になって暮らしたい」がそのまま具現化されているからこそ、そこに愛情を感じる人、愛着をもつ人も多いのでしょう。
一人のゆるキャラ好きとしては、ちいかわをはじめ、見た目がゆる~く可愛らしいキャラクターの容姿や世界観に癒しを求める文化が今後も順調に賑わっていけば良いなあと願ってやまない今日この頃です。
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