白泉社が発行する漫画雑誌【花とゆめ】にて連載中の少女漫画『暁のヨナ』。
アニメ化や舞台化、さらにはヨナカフェなどさまざまな関連イベントも開催されており、メディアミックス作品としても注目を集めています。
今回は漫画【暁のヨナ】の253話(43巻収録)『名前を呼ばない仲間』のネタバレ感想と考察について。
『暁のヨナ』253話(43巻)「名前を呼ばない仲間』のネタバレ感想・考察
この記事では本編あらすじの詳細な文章化はしておりません。
ネタバレ要素はありますのでご注意ください。
たったひとり生きながらえてきた初代黄龍・ゼノの言葉の重み
『暁のヨナ』の最新253話を読んでまず面白いなと思ったのは、四龍という存在・概念に対しゼノが抱いている思いや感情、そして見解が現王スウォンのそれと完全に一致していたこと、さらには、そのことが作中にてあまりにもあけすけに明言されていたことです。
四龍という大きな存在が長きにわたりつないできた命、紡いできた”伝説”というものに対し、ゼノが早い段階で懐疑的な感情をもっていたこと自体は、ゼノが不老不死である事実が明かされたと同じ段階で、わりとはっきり表現されていたと思うのです。
が、それを仮にも紅龍の生まれ変わりであるヨナに面と向かって伝えるあたり、これは結構攻めているなあと。
“血に縛られている“。今回ゼノが初めて明かした想いについて、かつてヨナは全く同じことをスウォンの口からも聞かされていましたね。もっともスウォンの場合はヨナではなく、同胞であるメイニャンに向けて放った言葉ではありましたけれども…。
「紅龍も四龍も必要ない」。この言葉は、実際に「短命・不治の病である」という超絶デメリットを被っているスウォンが口にするぶんには全く不自然さはないのです。しかしながら紛れもなく四龍の一員であり、なお、ヨナたちと長く旅を続けてきたゼノ当人の言葉となると、当然ながら全く重みが違ってきます。
味方の中に敵がいる…という表現は少々行き過ぎでしょうか。こうした手法はたとえば海外映画などではよく見られるものの、いわゆる”ファンタジーロマン”に分類される少女漫画の作中で目にすると、なんだか異様なものを見せられた気分になりますね。もちろん良い意味で。本当に細部まで丁寧に作り込まれたすごい作品だと改めて感じました。
頼れる四龍が去ったのち、ヨナとハクはどうなるのか
今回の展開により、奇しくもヨナとハクは物語の序盤、父親(主君)をころされ城を追われたあの時ときわめて近い状態に再び舞い戻ったと考えることができます。この点、ヨナのストーリータイプはやはり”行きて帰りし物語”に他ならないようですね。
もっとも、戦の前線に立ち、国のために尽力してきた現在の二人に対する兵たちや民の感情は、あのころとは全く違います。が、それでも青龍シンアが現王スウォンを襲い、傷つけたという事実は消えません。
そしてついに頼みの四龍も去った今、二人の立場は再びつらく厳しいものにならざるを得ないでしょう。
そういう意味では、これまでの展開は全て『暁のヨナ』という壮大な物語の序章に過ぎなかったとも言えるのかもしれません。四龍に助けられて歩いてきたヨナは、今再び一人きりになってしまったわけで(もちろんハクもユンもいますが、二人には各々の立場というものがありますしね)。
イクスの予言の真髄がどうこうという以前に、他ならぬヨナ本人がここが正念場であるということを自覚する必要があります。そしてそれは、ヨナと同様にショックを受けているであろうハクも同じ。
四龍を失ったヨナ個人の価値を、スウォンやケイシュク、そして多くの兵や民たちははたしてどう評価するのでしょうか。その点に注目しつつ、続きもじっくり読んでいきたいなと思いますね。次回254話は2月発売。楽しみに待ちましょう。
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【暁のヨナ】最新45巻(259話~)のネタバレ感想・考察まとめ| 悪役になりきれないゼノが切ない
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