1994年TBSドラマ『人間失格』1話「イジメの法則」あらすじとネタバレ感想 | 堂本剛・堂本光一出演

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エンタメ

1994年にTBSにて放映されたドラマ『人間失格~たとえばぼくが死んだら~』は、野島伸司が脚本をつとめたヒューマンストーリー。いじめという壮絶なテーマ性に加え、十代の堂本光一さんと堂本剛さんが劇中でキスシーンを演じたことでも話題となりました。

今回は、『人間失格~たとえばぼくが死んだら~』第1話のあらすじとネタバレ感想について。

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『人間失格~たとえばぼくが死んだら~』1話「イジメの法則」あらすじ

この記事では、全体のエピソードから特に気になる部分をピックアップして文章化しております。ネタバレ要素はありますので未視聴の方はご注意ください。

父親・衛のラーメン屋オープンに伴い、衛(赤井英和)と後妻・夏美とともに神戸から東京へ引っ越してきた誠(堂本剛)。修和学園の3年A組に編入し、そこで影山留加(堂本光一)と出会い、親しくなる。

誠(堂本剛)と留加(堂本光一)の出会い

転校初日。誠(堂本剛)は父・衛(赤井英和)とともに学園を訪れる。
教師・森田(桜井幸子)は、偶然通りがかった留加(堂本光一)に声をかけた。

「少し校内を案内してあげてくれないかな。私はもう少しお父様とお話があるから…」
留加はうなずき、言われた通り、誠に校内を案内した。

「君はかなり優秀なんだね。編入試験を通るなんて、ふつうに受験するより難しいだろう」
「たまたまだよ」
「読書はきらいかい?」
「そうでもないけど、マンガのほうが好きかな。今度貸そうか」
「頭がくさらないか?」
「君は何が好きなの」
「僕はドストエフスキーが好きなんだ」

かみ合っているようでどこかかみ合わない会話。それでも誠は、親しく話しかけてくれる留加に好感を抱いていた。

いじめられっ子の和彦

武藤和彦(黒田勇樹)は現在いじめの標的となっている少年である。ウサギ小屋に閉じ込められているところを、偶然通りかかった誠に助けられた。誠は和彦を実家であるラーメン屋に連れていった。

「大場くん、僕と友だちになってくれないかな」
「ああ、もちろん」
「そしたら、僕を守ってくれる?」
「えっ?」
「これ、塾の月謝だけど、無くしたことにすればいいから…。大丈夫、うちは開業医だからお金はあるんだ。毎月渡すから…」
「武藤くんとは友だちになれそうにないな。帰ってくれ」
「どうしたの? 何を怒ってるの?」

友達になる見返りとして金を差し出そうとする和彦の価値観は、誠には到底理解できないものだった。

「頭の中にハエがいるんだ」

誠は、塾の帰りだという留加と夜道で行き会う。
”親友”だというハツカネズミを紹介する留加。

「ハツカネズミ?」
「ちがう、僕の親友だよ」

誠はあいまいな笑みを返した。

そして…ターゲットにされてしまった誠

ホームルームにて、担任の森田がクラスの現状といじめ問題を語った。
クラス内に横行するいじめ、そして血が抜かれころされているというウサギの話。

誠は立ち上がり、自分がこれまでいた学校では絶対にそんなことはなかったと言った。ここのような進学校ではなかったが、そんな陰湿な事件は一つもなかった。少なくともウサギの血を抜くような異常なことは絶対に起こらなかった、と。

そんな無駄なことにエネルギーを使うのはもうやめにしよう。熱弁する誠を、クラス中が冷めた顔で見つめていた。

きっと、うまくやっていけるさ
みんな、やさしい友だちなんだから

劇中ナレーション

翌朝、誠の机の上には白い花が置かれていた。

ネタバレ感想と考察  ”異常”なのははたして誰なのか

”血を抜かれたウサギ”の描写

『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』は、1993年の『高校教師』に続く『TBS野島三部作』の2作目。野島伸司さん脚本作品は何かもう、全シーン、全台詞のすべてがもれなく伏線になっているんじゃないかと思いますね。

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内容がどれだけシリアスであれ残酷であれ、見ごたえがあるという意味でやはり”面白い”。本当によくここまで細部にわたって人間の心の弱さを分析し、視覚化したものだなあと思います。

いじめられるということは、人格をまるごと無視されること、初めからいなかったことにされること。無力な小動物の血を抜き取るのと同じで、命をつかさどる大事な部分がどんどん体内から流れ出していくのを、本人の力ではどうにも止めることができなくなるわけです。

それほど暴力的な行為が、劇中では”血を抜かれたウサギ”の描写ひとつにシンプルに凝縮されています。誠の言う通り「異常性」はビンビン伝わってくるのに、誠を除く周囲は皆、怖いくらいに終始、淡白な表情を保ったまま。

周囲の人間にとって、異質なのは自分たちではなく、あくまで誠のほう。まるで誠ひとりが違う世界にふらりと迷い込んだかのような演出、魅せ方だからこそ、深刻なテーマでありながらここまで視聴者を引き込むことができるのではないでしょうか。

誠(堂本剛)と留加(堂本光一)のキャラクター性

堂本剛さん演じる誠は、ただ明るく気のいいだけでなく、物事の本質を見抜く勘の良さと敏感さを持ち合わせた少年です。そして堂本光一さん演じる留加は、奇妙なほど歪んだ価値観を自分でも持て余しているような特殊な人物。こちらも決して単なる”いじめっ子”としては描かれていません。

本作の主人公は実はKinkiの2人ではなく、あくまで誠の父を演じた赤井英和さんです。が、やはりストーリーの中心にいるのは誠、そして彼に思い入れをもつ留加のほう。

本作は、誰もが心のどこかに持っているような歪んだ感情、昏い価値観を徹底的に視覚化したような作品です。それでもそこに”真実”が描かれている以上、観ている私たちは決して目を逸らせない。『少年を殺したのは、どの愛か』というキャッチコピーの通り、歪んだ価値観は歪んだ”愛情”と常に表裏一体であるような気がします。

テーマがどうこう以上に、ストーリーや設定、キャラクター性そのものにものすごい吸引力があるような気がしますね。次回2話は『仮面の友達』。

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