白泉社が発行する漫画雑誌【花とゆめ】にて連載中の少女漫画『暁のヨナ』。
アニメ化や舞台化、さらにはヨナカフェなどさまざまな関連イベントも開催されており、メディアミックス作品としても注目を集めています。
今回は漫画【暁のヨナ】の251話(43巻収録)『分断』にて初登場のキャラクター・ソガについて。
『暁のヨナ』第251話にて登場した新キャラ・ソガ
『暁のヨナ』の登場人物・ソガは、第251話「分断」にて登場した新キャラの一人。正直なところ、登場がややとうとつ過ぎる感も否めませんし、「ヨナが王になることは認めない！ スウォン陛下万歳！」の一点張りな態度もどうも受けつけないと感じる人は少なくないのかもしれません。
が、個人的にはあくまで一つのキャラクターとして、わりと嫌いではないんですよね。なんならもっと早くこういうキャラに出てきて欲しかったと思うくらい。少なくともヨナのストーリー展開上、遅かれ早かれ、ハクとヨナの復活劇を阻む側の人間が出てこなくてはイマイチ盛り上がりに欠けるんじゃないかと思っていて。
そもそも前王イルの存命時から、城の人間のみならず一般の民まで、高華国にはイルのやり方に傾倒する人間なんてほぼ皆無だったはず。となると、同じくその娘ヨナも、周囲からあまり好意的に見られないのは当然のことです。
そんなヨナが、ちょっとばかり四龍という力を手にしたからといって城に出戻るなんて、普通に考えればなかなかありえない展開ではあるわけで。
しかしながらユホン暗殺の件でイルに並々ならぬ恨みを抱いているであろうスウォンもケイシュクも、なんだかんだでヨナに対し私怨を向けるようなことは一切していません。スウォンはそもそもヨナのことを”仇”としては見ていないし、ケイシュクの興味関心はどちらかといえば危険因子たるハクにありましたしね。
では肝心のヒロイン・ヨナは…というと、城に戻った当時はひたすら自室監禁の放置プレイでしたよね。個人的にはあのあたりのタイミングでソガたちに出てきて欲しかったなと。
ソガの登場の意味は？
『暁のヨナ』は、ヒロインたるヨナが何かを失って傷つき迷い、そして全く違う角度からもっと大きなもの（仲間とか価値観）を手に入れる、そのくり返しからなるストーリー展開が主となっています。
そんなヨナの美徳は、手に入れた強さとか力を他者に誇示して突き進むのではなく、あくまで自己表明にとどめながら慎重に進んでいくところなんだろうなと。”姫君”として生まれながらに人の上に立つ人間として育てられた立場としては、これ、結構すごいことだと思います。
しかしだからこそ、時には”ナメられる”こともある。ソガたちの登場は、そのことを暗示する危険喚起的な意味合いもあったのではないでしょうか。
何にしても、こういうキャラをストーリーのどこかで出さなくては、ヨナもハクも性格上、”権力”に対し貪欲にはなれないでしょう。しかし今後はそこを手に入れなくてはいろいろと始まりません。ヨナ個人がどうこう、というよりは高華国の危うさを示す上で、ソガたちの存在は必要不可欠だったと言えるでしょう。登場シーンこそ少ないけれども、つくづく見どころのあるキャラだったなあと思いますね。
