1993年放送のTBSドラマ『高校教師』は、真田広之演じる生物教師と桜井幸子演じる女子生徒のあいだに生じる禁断の愛を描いたストーリー。脚本は野島伸司。
ただ、その特殊な設定や表現・展開に『気持ち悪い』など賛否両論の意見もみられます。
今回は真田広之と桜井幸子の主演ドラマ『高校教師』第5話『衝撃の一夜』のあらすじとネタバレ感想・考察について。
真田広之・桜井幸子主演ドラマ『高校教師』5話のあらすじ
この記事では本編あらすじ全ての詳細な文章化はしておりません。
ネタバレ要素はありますのでご注意ください。
前話の動物園デートで距離の縮まった羽村と繭
第4話「僕のために泣いてくれた」ラストにて、繭に涙をみせ、素直な想いを吐露した羽村(真田広之)。
その後、再び学校で顔を合わせても、互いにそのことには触れなかった。
しかし、以前に比べ心の距離が縮まっていることを、繭と羽村双方が感じているのだった。
君は覚えているかい…あの頃から僕たちは、徐々に自分の存在を、互いの心の中に見ることができたんだね…(羽村モノローグ)
時間の経過とともに、羽村の授業に対するボイコットはなくなっていた。久々におとずれた穏やかな日常。
昼休みになると繭は羽村のもとを訪れ、うとうと居眠りをしている彼の寝顔を眺める。もちろん、彼が狸寝入りをしていることもちゃんと見抜いているのだった。
「今度の日曜ね、映画連れてって!」
「…」
羽村は難色を示すが、実際、いっしょに動物園に行った前科があるため、きっぱり断ることができない。
「じゃあ、あたしがマラソンで一等獲ったらいこうよ!」
「何か理由が欲しいんでしょ?」
「…」
最終的に首を縦に振ってしまう羽村は、やっぱり繭にだいぶ甘いと思う。
一方で繭の親友・相沢直子(持田真樹)は、鬼畜教師・藤村に弱みを握られ、彼からの呼び出しに応じざるをえない日々。
「あたし、先生に憧れてたのに…」
憧れはあの日、もろく崩れ去ってしまった。藤村との関係から抜け出すには、やはり卒業まで待つしかないのか…。
一線を越えてしまった羽村と繭
そして繭は念願かなって、羽村とともに映画鑑賞に出かけることに。が、生徒である繭とふたりきりでいることに対する罪悪感から、せっかくにデートを全く楽しんでいない様子の羽村。
「あたし、今日は帰らない!」
「勝手にしろよ」
わがままを言う繭を教師らしく一喝する羽村だったが、結局彼女を見捨てることなどできず…。
そしてついに一夜をともにすることになった二人。羽村が繭を一人の女性として愛していることが、5話のラストにてついに明らかになった。
【高校教師】第5話【衝撃の一夜】ネタバレ感想と考察
高校教師である羽村と、その生徒である少女・繭。
この二人は元来、かなり相性が良いのだろう。それは男女としてというよりは、どちらかというと人と人として。
特に昼休みのシーンなんかは羽村と繭のあいだに自然と流れるほのぼのした空気感が本当に自然で、これはもう、もし学生同士なら即付き合っていたんだろうなあ…などと思ってしまった。
一方、かなりヤバめな状況に置かれているのが持田真樹演じる直子と、鬼畜教師・藤村のほうで。
ある意味この二人のキャラクター設定は、羽村と繭の相性の良さを強調するため、対照的に描くためのものでもあるのかもしれない。
藤村は直子を凌辱し続けることで、彼女を繋ぎとめておけると思っている。一方の直子のほうはまだ過去の憧れを完璧には捨てきれていないように私には思えてしまった。
あるいは彼女の若さゆえ、純粋さゆえだろうか。あれだけで、藤村がビデオの録画をあっさり渡してくれると信じるなんて…。何にしても、直子の境遇が本当に不憫でならない。
そして一方、のんきにデートに出かける羽村と繭。
羽村が映画に行くことをきっぱり断り切れなかったのは、前話にて動物園に自分から誘ってしまったからというだけでなく、内心、繭と出かけることを望んでいたからなんじゃないだろうか。
もしそうでなければ、まあ百歩ゆずって映画には出かけたとしても、その後「海をみたい」という繭のわがままをきいたりはしないだろう。
帰りたくないと泣く繭をむりやりタクシーに押し込んででも、その日のうちに自分の家に帰らせる道を選んだだろう。
羽村の選択は正しかったのか、それとも間違っていたのか。
もちろん教師として、あるいは成人済みの社会人としては明らかに間違っているのだけれど、一人の男としては、やっぱりあれで正解だったんじゃないかとつい思ってしまう私。
次話は6話【別れのバレンタイン】。
羽村と繭の距離感にぐっと変化がある回です。
1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話
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