【薬屋のひとりごと】原作小説3巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | 月精と「そこそこの蛙」

-

※記事内にPRを含む場合があります

エンタメ

『薬屋のひとりごと』は、ライトノベル作家・日向夏さんによる人気ファンタジー小説。原作小説(ヒーロー文庫)の第3巻では、他国の特使を接待する壬氏が「月精」に扮する名シーン、そして伝説の名セリフ「そこそこの蛙」が登場します。

今回は『薬屋のひとりごと』の原作小説3巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察について。

-

『薬屋のひとりごと』原作小説(ヒーロー)3巻あらすじ

一時は壬氏の宮仕えとして働いていた猫猫だったが、玉葉妃の妊娠により、再び後宮に戻ってきた。後宮では相も変わらず、さまざまな謎がうごめいていた。茸中毒で死んだ妃に後宮内の廟の秘密、先帝がかかった呪い、そのすべてを猫猫はみごと解き明かす。そんな中、猫猫は壬氏とともに北の避暑地に同行することに。

参考:『薬屋のひとりごと』3巻リリースより

『薬屋のひとりごと』原作小説(ヒーロー)3巻ネタバレ感想と考察

月精に扮した壬氏がとにかく美しい

『薬屋のひとりごと』3巻前半のピックアップはやはりこれでしょう。「月精に扮した壬氏」。もはや字面だけで面白い。本作は原作である小説版に加え、2種類の漫画版がありますが、このシーンに関してはぜひとも絵でみてもらいたい。迫力がもう圧巻なので。

このシーンのポイントはやっぱり、月精の案を出した第一人者が猫猫であるという点に尽きるんですよね。壬氏のことをいまだ『宦官』であると思っていることをさしひいても、そもそも異性として認知されていないことが明らかになりました。

美人(男キャラ)の女装が映えるラブコメ…いやすごいね! 壬氏のようなワケあり男を描く場合「自分を受け入れてくれる唯一無二の存在」にめぐり逢い、無事に幸せエンド、というのが鉄板ではないかと思いますが、本作に関してはまずは「性別」という大前提から覆さなくちゃいけないわけで。「月精」のエピソードはまさしく、壬氏・猫猫カプ成立のむずかしさをそのままあらわすものだったと思います。

「そこそこの蛙(カエル)」

そしてヒーロー3巻といえば、やはりこのワードは外せません。「そこそこの蛙」。急なことであれだけテンパっていたとはいえ、単に「蛙」ではなく「そこそこの」というパワーワードをわざわざ付けるあたりがさすが猫猫です。

蛙は粘液出しますし」「誰が粘液だ!」

『薬屋のひとりごと』3巻
-

あの体勢でこんな会話を繰り広げる宦官(仮)と一官女。さすがにシュールすぎる。最後まで「カエル」で押し通した猫猫でしたが、本気であれでいけると思っていたのかどうかは微妙なところですね。

羅の血ゆえなのかいろいろとぶっとんでいる猫猫ですが、決して空気が読めない人物ではないし、地頭が良すぎるためかむしろ裏の裏まで読みすぎているような描写も多い。

知ってはならない秘密を知ってしまった…からには、とりあえず一時的に命びろいしておこうという思考からの「そこそこの蛙」発言だったのかなと予想します。

薬さえあれば生きていける猫猫ですが、今後はもうそういうわけにはいかない。ただ、壬氏が宦官でないことを知るまではまだ、彼女には全くその自覚がなかったんじゃないかなと思うんですよね。

壬氏と猫猫は2人とも面倒な立場を抱えた者どうしではありますが、それでも互いに1ミリも自己投影していないところがすごいよなあと思います。とはいえ猫猫、そろそろ態度をあらためたほうが良いんじゃないかな。続く展開にも注目です。

『薬屋のひとりごと』(ヒーロー文庫) 各巻ネタバレ感想と考察

3巻 4巻 5巻 6巻  7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻 13巻 14巻 15巻

【薬屋のひとりごと】小説最新15巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | 壬氏と猫猫の熟年夫婦感

タイトルとURLをコピーしました