【薬屋のひとりごと】原作小説13巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察| 『夜の訪問』にみる壬氏と猫猫の関係性

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『薬屋のひとりごと』は、ライトノベル作家・日向夏さんによるファンタジー小説。原作小説(ヒーロー文庫)の第13巻では、主に壬氏や猫猫のゆかりの人々の視点から、1年ぶりに中央へ戻ってきた猫猫たちの暮らしぶりが描かれていきます。

今回は、『薬屋のひとりごと』の原作小説13巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察について。

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『薬屋のひとりごと』原作小説13巻(ヒーロー文庫)あらすじ

ようやく西都を離れ、1年ぶりに中央へ戻ってきた猫猫と壬氏。ふたたび平穏な日々が戻ってくるかと思いきや、女華や姚、燕燕、羅半ら友人知人が抱えるあらゆる厄介ごとや問題に翻弄され……。

持ち前の能力でそれらに対応しながらも、猫猫はようやく、壬氏に対し素直な想いを返す道を選ぶ。が、2人の向かう先にはまだまだ数多くの問題が立ちはだかっていた。

参考:『薬屋のひとりごと』原作小説13巻リリース

『薬屋のひとりごと』の原作小説13巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察

壬氏(月の君)と阿多、主上の関係性がようやく明らかに

『薬屋のひとりごと』原作13巻のメインはやはり、月の君(壬氏)と阿多、主上の関係性がようやく明らかになったこと、さらにはそれがヒロイン猫猫にも(ひいては読者サイドにも)はっきりと明示されたことです。

壬氏が阿多と皇帝のあいだにできた、まぎれもない”実の子”であるということ。

この事実については、これまでも作中にてたびたびほのめかされてきた場面がありました。ヒロイン猫猫に至っては1巻の時点で「もしや…」という疑いはもっていましたし、8巻の焼きごてシーンではほぼ確信していたのではないかと思われます。

いち読者としては、正直この事実については最後まではっきりさせない方向なんじゃないかなあとすら思っていました。本作のタイトル通り、あくまで薬屋(猫猫)のひとりごととして「そういう可能性もあるかもね」レベルの話で終わったとしても十分面白いんじゃないかなと。一つの物語としてはむしろ盛り上がりますしね。

ただ今回、壬氏の正体や、雀が阿多に仕えていることなどが猫猫にはっきり告げられてしまった以上、猫猫にも”単なる薬屋”ではなく”月の君の妻”としての役割をはたすための姿勢がより強く求められることになります。

もっとも当の壬氏がそれを望んでいないというのが皮肉なところですが、まあ周囲の目もありますし、そもそも猫猫自身にも「羅の姫」という立場がある以上、ある程度は受け入れざるを得ない部分だといえるでしょう。

『薬屋のひとりごと』なろう版でも描かれた「夜の訪問」

そして今回、薬屋ファンのあいだでも話題となったのは、本作なろう版でも描かれた強烈エピソード『夜の訪問』。いわゆる”初夜失敗”という壬氏にはなんとも気の毒な展開ですが、まあいかにもこの2人らしいベタな展開でもあります。

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このエピソードについて個人的に好きだったのは、壬氏が猫猫に対し「自分をすべて受け止めた上で傷やトラウマを癒してくれる聖母」的な包容力は決して求めていなかったことです。

一般に、少女漫画やラノベなどの世界観では、こういった立場のある男性が唯一無二の女神的存在を見つけてそこに癒しを求める…といった展開はわりと多いんですよね。しかしその場合、女性側が多少なりとも損をしたり、何かを諦めたり…といった側面も出てきます。

今回、猫猫が夜の宮に自ら来てくれるという絶好の機会をあっけなく手放した壬氏は、猫猫に”癒し”は求めていながらも、決して”救い”までは求めていないのだと思うんですよね。

明るい場所まで引き上げてもらいたいわけではなく、あくまで”対等”でいたいという姿勢が見えたからこそ、猫猫もきっとほだされてしまったんだろうなと。

まあ、どちらかが一方的に与え続ける関係はそう長くは続きません。とはいえ幸せと痛みは決して等価交換できるものではないので、そのぶん壬氏ももうちょっと自分に優しくなってみてもいいのでは…というのが正直なところですが笑。今後のラブ展開にも注目ですね。

『薬屋のひとりごと』(ヒーロー文庫) 各巻ネタバレ感想と考察

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