【薬屋のひとりごと】原作小説8巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | 焼きごてシーンの衝撃

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『薬屋のひとりごと』は、ライトノベル作家・日向夏さんによる人気ファンタジー小説。原作小説(ヒーロー文庫)の第8巻では、宮中にて広がる碁の流行と唐突に開催された大会、そして壬氏と猫猫の関係性が大きく変化する衝撃の展開が描かれています。

今回は、『薬屋のひとりごと』の原作小説8巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察について。

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『薬屋のひとりごと』原作小説8巻あらすじ

毒で体調を崩した姚が医局勤めに戻れるようになった頃のこと。猫猫の実の父親・羅漢の書いた碁の教本の影響で、宮中ではまたたく間に碁の流行が広がっていた。

一方の壬氏はただでさえ多忙を極める上、砂欧の巫女の毒殺騒ぎや蝗害の報告がたてつづけに重なり、目まぐるしい日々を送っていた。そんな中、宮廷内で碁の大会が企画され……。

そしてラスト、誰もが思いもつかないような壬氏の渾身の一手により、ついに壬氏と猫猫の関係性が大きく動き出す。

参考:『薬屋のひとりごと』第8巻リリースより

『薬屋のひとりごと』の原作小説8巻(ヒーロー文庫)のネタバレ感想と考察

おなじみのドタバタ劇ふたたび

唐突にはじまった碁の流行、そして宮中で大々的に開催される碁の大会に巻き込まれるヒロイン猫猫。今回、おなじみの医官付き官女の2人組、お嬢さま姚とお付きの燕燕との絡み多めなのも見どころの一つでしょう。

もともと、前触れなく始まる面倒ごとやきな臭い事件、そしてそこにあっさり巻き込まれ中心となって謎と対峙するヒロインという構図がこの作品の根幹にあるんですよね。

今回、そうした謎解き要素やミステリーサスペンス的緊張感、さらにはこの作品ならではのドタバタ感ががっつり堪能できた点が非常に良かったなあと思います。

あと、なんだかんだでロマンチストな羅漢の姿が表立って描かれるようになってきたのも良かった。天才軍師であり本作品きってのくせ者な彼ですが、亡き妻鳳仙に対してはいまだ自信が持てないでいるのか、はたまた彼女にしてきたことへの申し訳なさゆえなのか、とにかく”一人の女を不器用に想い続けている一途な男”像が徹底されている気がします。

これはあるいは、その娘である猫猫を想う男・壬氏の姿をひそかに揶揄する意図があるのかと勘ぐってしまうくらい。まあ鳳仙と猫猫がそれだけいい女であり、もっといえば”魔性の女”的な魅力があるという描写でもあるのかもしれません。

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壬氏の渾身の一手、ラストの焼きごてシーン(焼印)について

ヒーロー文庫8巻においてもっとも話題となったのはやはりラスト、壬氏が主上と玉葉后を前に取った強硬手段ともいえる渾身の一手”焼きごてシーン”に尽きるでしょう。

自らの腹に焼印を押し当てるこの行動には、実は薬屋ファンからも賛否両論ありました。なんだかんだ言いながらも結局は権力使って猫猫を縛ってるやん、何してんねん的な意見もあり、はたまた猫猫がうらやましいと愛の重さにキュンとする声もあり、さらには壬氏の闇落ちヤンデレ化を心配する声もあり…。

ただ個人的には、壬氏のこうした”内に秘めたヤバさ”的な一面はわりと初期からあらゆる場面にてきっちり描かれてきた印象があるんですよね。

例えば一度めの西都にて描かれた首絞めキスシーンがいい例でしょう。なんといいますか、とりあえず原作なろう版にて描かれるザ・紳士な壬氏様と加筆修正済なヒーロー文庫にて描かれる彼はふつうに別人格だと思って読んだほうがいいよね。

自身の意思とはうらはらに闇落ちヤンデレ男性にターゲットロックオンされる猫猫はただただ気の毒ですが、ただこの物語が非常に特殊な世界線にて描かれていることも念頭に入れておきたいところです。

今回の”強硬手段”がなければ、少なくとも壬氏が猫猫一人を妻にできる可能性はかぎりなく低かったといっていいでしょう。

生まれながらにして巻き込まれ体質な猫猫が今後、壬氏にどう対処していくのか、そして彼女自身の感情にどう折り合いをつけていくのかという点もまた、本作の見どころの一つですよね。今後の展開にも注目です。

『薬屋のひとりごと』(ヒーロー文庫) 各巻ネタバレ感想と考察

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【薬屋のひとりごと】小説最新15巻(ヒーロー文庫) ネタバレ感想と考察 | 壬氏と猫猫の熟年夫婦感

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