白泉社が発行する漫画雑誌【花とゆめ】にて連載中の少女漫画『暁のヨナ』。アニメ化や舞台化、さらにはヨナカフェなどさまざまな関連イベントも開催されており、メディアミックス作品としても注目を集めています。
今回は、本作のキーパーソン・黄龍ゼノの名言について。ゼノが長年抱えていた”願い”や作中の伏線についても触れていきます。
黄龍ゼノの名言まとめ
ゼノの名言①「人は鏡だから 笑えば笑顔が返ってくるのさ」
※この記事の内容は本編のネタバレを含みます
ゼノの名言①「人は鏡だから 笑えば笑顔が返ってくるのさ」。
本作第10巻にて、火の部族の兵士たちの手助けをしていた際、ゼノの言動に思わず感心したテジュンに向けて言った言葉です。
「人は~だから」というフレーズ、そして周囲の人を名前で呼ばないようにしていること。こうした特性一つひとつが、ゼノの達観した生き方や信念をそのままあらわしているといっていいでしょう。
ただこの時点では、ゼノのもつ能力はまだ明らかになっていません。伏線…というほどではないものの、この台詞が心に残ったヨナ読者は多いのではないでしょうか。
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ゼノの名言②「命懸けようなんて思うな 兄ちゃんは少し死の臭いがする」
ゼノの名言②「命懸けようなんて思うな 兄ちゃんは少し死の臭いがする」。
本編11巻にて、スウォン討伐への決意を固めたハクに向かってかけた言葉。ゼノは四龍の一員ではあるものの、その本質は戦闘員ではなくやはり神官ではないかと思うのです。
昔は実際に神の声が聞こえていた、と作中にてゼノ本人が語っています。そうした生まれ持った気質に加え、黄龍の定めである”不老不死”という特性から、自分のみならず他人の生き死にの気配にも敏感にならざるを得ないのでしょう。
そういった意味では、ゼノのこの台詞も後々につながる伏線の一つと言えるかもしれません。”死の臭い”は脅しや例えではなく、わりとそのままの意味なのではないでしょうか。
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ゼノの名言③「俺は四龍の落ちこぼれだけど…お前らを絶対守ってやんよ」
ゼノの名言③「俺は四龍の落ちこぼれだけど…お前らを絶対守ってやんよ」。本編17巻にて、流行り病で倒れた白龍キジャや緑龍ジェハ、青龍シンアへかけた言葉。
自分は四龍の落ちこぼれである…という言葉は何かの比喩ではなく、ゼノにとっては単にそのままの意味でしかないのかなと思います。他の龍たちのようなすさまじい腕力や脚力、眼力をもたない以上、ゼノの身体には少なくとも自発的に攻撃する力はありません。
そしてゼノほど長く生きていれば、身体的能力に関するプライドとか誇りとか、そういった感覚はもはやなくなってくるのでしょう。
”落ちこぼれ”はあくまでゼノが初代四龍と過ごした頃に抱いていた感覚であり、それをほほえましく思い返しているゆえの表現かつ、あの笑顔なのかなと思いますね。
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ゼノの名言④「ゼノ 待つのは得意だから」
ゼノの名言④「ゼノ 待つのは得意だから」。本編105話『あかい星が昇る』にて明かされた、初代四龍たちと別れ一人きりで長い時を過ごしてきたゼノの想い。
待つのは得意だといいながらも、実際は絶望感とあきらめに苛まれながら一進一退をくり返してきたはず。仲間たちの前では何も深いことを考えていない天真爛漫ぶりをよそおいながらも、そうした本音を全くといっていいほど表に出さなかったのはやはり年の功というやつなんでしょうか。
「待つのは得意」…。ゼノの願いとはすなわち、高華国に代々伝わる四龍の伝説を終わらせること。読み返してみると、このあたりのエピソードやゼノの台詞・表情一つひとつがその伏線になっているなあという気がしますね。
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ゼノの名言⑤「待ってた 二千年の間この日を待ってたんだ 四龍は天に還す それが俺の願いだ」
ゼノの名言⑤「待ってた 二千年の間この日を待ってたんだ 四龍は天に還す それが俺の願いだ」。
本作43巻にて、長い時を経て求めつづけてきた”願い”をようやく口にしたゼノ。これまでのあらゆる伏線が回収され、すべての想いが凝縮された台詞といえるでしょう。どんなエグい本音が明かされるのかと思いきや、「願い」そのものは実にシンプルかつ真っ当なものでしたね。
四龍を天に還すとはすなわち、ジェハやキジャ、シンアら四龍の仲間たちに加え、ゼノ自身の命をも終わらせることを意味します。
作中にて、四龍の存在意義について誰より長く考えつづけてきたのがゼノですね。初代緋龍王と同じく、ゼノは龍神の選択に対し当初から否定的な感情を抱いていたのかもしれません。
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