『薬屋のひとりごと』は、ライトノベル作家・日向夏さんによる人気ファンタジー小説。舞台は架空の国・茘(リー)ですが、モデルとなったのは唐代の中国だといいます。さらに作中の言葉表記やキャラ名も中国寄り。今回は『薬屋のひとりごと』の舞台設定についてあらためて考察してみました。
『薬屋のひとりごと』の舞台のモデルは中国?
『薬屋のひとりごと』の舞台設定のモデルは、唐代(618年~907年)の中国。衣服や花街のイメージは楊貴妃の時代なのだそう。楊貴妃といえば「花も恥じらう美女」の語源となった人物ですし、なによりホンモノの「傾国の美女」だったことで有名ですよね。
ヒロイン・猫猫の生まれ育った緑青館もめちゃくちゃ豪華な雰囲気でしたし、厳密な歴史的背景よりも、とにかくパッと華やかなイメージをつくることを優先したのかなあと想像しています。
しかしこういった宮廷ものに必須な(?)「傾国」設定を、ヒロインではなくメインヒーロー壬氏(じんし)に使うところがやっぱりすばらしい。
「国は傾けられても猫猫の心は傾けられない」的なイジリは薬屋ファンには通じるネタとなり果てていますが、キャラクター性をかんがみてもやはりよくできてるよなあーとしみじみしてしまいます。
架空の国・茘(リー)はどんな国?
身分階級がはっきりしている
架空の国・茘(リー)は、当然ながら実在はしません。が、作中の表現をみるに、身分階級がかなりはっきりしていることがわかります。高官に宦官、医官や下級官吏、農民・商人・職人など、身分と身分のあいだに目に見えない強固な壁があるようなイメージですね。
中国というより朝鮮王朝?
ちなみに『薬屋のひとりごと』を読んだ中国人の反応を扱ったコンテンツも最近では増えてきていますが、わりとよくみるのが「中国はたしかに身分階級が厳しかったが…ここまでじゃないよ」というもの。
たしかに、壬氏と猫猫の関係性の進展を阻んでいるのもひと言でいえば「身分」一択ですからね。とくに出会ったころはひどかった。猫猫の名セリフ「処刑するなら毒殺で~」はもはやネタですが、平民があっさり理不尽にころされるのはふつうにあり得ない話ではなかったわけです。
茘(リー)の世界観はどちらかというと、中国というより朝鮮王朝に近いのかなあと個人的には思っています。朝鮮王朝史に残る一番ひどかった時期がちょっとだけ緩和した時期くらいかなあ。作中では現皇帝により、宦官制度や奴隷制度は廃止されていますしね。
薬屋のキャラ名が中国風なのはなぜ?
名前の読みは中国語と日本語の発音が混在している
世界観が中国寄りなこともあり、『薬屋のひとりごと』に登場するキャラクター名はほとんどすべてが中国語の表記に統一されています。
が、よーくみていくと、発音のほうは中国語と日本語がイイ感じに混在しているんですよね。アニメ版をみていても、セリフの発音自体は日本語寄りであることが多いです。
中華風ファンタジーなのになぜそこを徹底しないんだ! と突っ込む人がたまにいますが、本作はそもそも日本人の作者が日本で構想+制作した、れっきとした日本のエンタメ作品です。
なろう版の日向先生のコメントをみても、
『カタカナルビが雰囲気を壊すという意見もありますけど、わかりやすさ重視でやっていますし、なにより書いているほうは言葉遊びの一つでも入れないと、書くのに飽きてしまうのでご了承ください。』
小説家になろう
とのこと。
なるほどー、世界観は雰囲気で、なにより面白さと伝わりやすさ重視というわけなのね。学者監修ありきの歴史小説ではないわけですし、読者としても細かいことにひっかからず思い切り楽しむのが正解なのではないでしょうか。
▼『薬屋のひとりごと』(ヒーロー文庫) 各巻ネタバレ感想と考察
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